若い男女を殺害、「名誉殺人」の疑いで容疑者逮捕 パキスタン
この男女は家族の反対を押し切って結婚し、殺害されたとみられる。
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パキスタンの捜査当局は20日、若い男女を殺害したとして、容疑者を逮捕したと明らかにした。
この男女は家族の反対を押し切って結婚し、殺害されたとみられる。当局は「名誉殺人」の疑いで捜査していると説明した。
名誉殺人とは婚姻拒否、強姦を含む婚前・婚外交渉、婚約者以外の男性との結婚・駆け落ちなどの自由恋愛をした女性やこれを手伝った女性らを「家族の名誉を汚す」ものとみなし、親族がその名誉を守るために殺害する風習のことである。
警察によると、この男女は先月、南西部バルチスタン州で殺害されたという。
地元の部族が殺害を指示したとされる。
ソーシャルメディアで拡散した動画には女性がイスラム教の聖典コーランのコピーを受け取り、その後男性に「私と7歩歩いてから、私を撃っていい」と告げる様子が映っていた。
この動画はX(旧ツイッター)やフェイスブックなどで先月拡散。警察が捜査していた。
バルチスタン州政府は声明で、「警察が動画が撮影された場所などを特定し、2人の殺害に関与した容疑者を逮捕した」と明らかにした。
また同政府は「この名誉殺人に関与した者全員が起訴される予定である」とした。
この動画(削除済み)にはSUVや複数の男の姿が映っている。
男性は妻に向けて少なくとも3発発砲。その後、映像が切り替わり、複数人が地面に横たわる2人に向けて発砲する様子が映っていた。
パキスタンの人権団体によると、昨年全国で少なくとも405件の名誉殺人が確認され、その多くが何の罪にも問われなかったという。