◎スウェーデン・ストックホルムで先月末に行われたイスラム教の聖典コーランの写しを燃やすデモはイスラム国家の怒りを煽った。
パキスタンの主要都市でスウェーデンのコーラン焼却デモに抗議する集会が開かれ、数万人が参加した。地元メディアが7日に報じた。
首都ストックホルムで先月末に行われたイスラム教の聖典コーランの写しを燃やすデモはイスラム国家の怒りを煽った。
イスラム教徒の権益を守ることを目的に掲げる国際機構「イスラム協力機構(OIC)」はコーランを守るための臨時会合を本部のあるサウジで開いた。
東部の都市ラホールと南部カラチの集会には数千人が参加し、市中心部の幹線道路や広場を埋め尽くした。AP通信によると、デモは平和的に行われ、暴力は確認されなかったという。
首都イスラマバードではコーランの写しを手にした弁護士数十人が最高裁判所前で抗議活動を行い、市中心部にあるモスク近くではスウェーデンとの国交断絶を求める礼拝者たちがシュプレヒコールを上げた。
北西部カイバル・パクトゥンクワ州ペシャワルでは少数派のキリスト教グループもデモに参加し、コーラン焼却を糾弾した。
カーン(Imran Khan)前首相率いるパキスタン正義運動(PTI)や他の主要野党も各地で抗議デモを行い、シャリフ政権に厳しい対応を取るよう促した。
シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は6日、国会演説の中で、「スウェーデンの警察はなぜコーラン焼却を許可したのか」と憤慨した様子で語った。
シャリフ氏は7日、ツイッターに声明を投稿し、団結して平和的にスウェーデンに強いメッセージを送るよう呼びかけた。「私たちは一致団結して反コーランを非難し、7日の礼拝の後、全国で抗議デモを行います...」
7日の抗議集会には強硬派宗教政党TLPも参加した。TLPは以前、イスラム教と予言者ムハンマドの冒とくに反対する暴力的なデモを行ったことで知られている。
TLPは公式ホームページに声明を投稿。スウェーデン製品のボイコットと国交断絶をシャリフ氏に要求した。
TLPは2018年の総選挙でイスラム教を冒とくした者を問答無用で死刑に処す刑法改正を行うと公約に掲げ、注目を集めた。
ジュネーブに本部を置く国連人権理事会は来週、パキスタンの要請に基づき、予定を変更してこの問題について協議する緊急会合を開く予定だ。