◎両国の関係は今年1月にそれぞれの治安部隊が過激派の拠点を攻撃し合ったことで緊張。今回の訪問は緊張緩和と関係修復を目的としていた。
パキスタンとイランの首脳は24日、アフガニスタンに拠点を置くイスラム過激派に対する「統一戦線」を構築することで合意した。
イランのライシ(Ebrahim Raisi)大統領は3日間の日程でイスラマバードを訪問。首脳らとの会談を終えた後、共同声明を発表した。
両国の関係は今年1月にそれぞれの治安部隊が過激派の拠点を攻撃し合ったことで緊張。今回の訪問は緊張緩和と関係修復を目的としていた。
ライシ氏はシャリフ(Shehbaz Sharif)首相、ザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領、陸軍の総司令官を含む高官らと会談した。
共同声明によると、両国はテロ対策と安全保障に関する協力を強化し、テロに対する統一戦線を展開する意思を再確認したという。
また両国はイスラエルによるガザ侵攻を改めて強く非難。イスラエルに即時撤退を求めた。
パキスタンではこの数カ月、アフガンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州でテロ攻撃が相次いでおり、その多くにTTP(パキスタンのタリバン運動)が関与している。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月にパキスタン政府との停戦協定を一方的に打ち切り、軍と警察への攻撃を強化した。
TTPはアフガン南西部のイラン国境付近でも活動しており、イラン領内で発生した複数のテロ攻撃に関与している。