パキスタン・アフガン和平協議決裂、停戦は維持
両国は11月6日からイスタンブールで協議していた。
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トルコ・イスタンブールで行われていたパキスタンとアフガニスタンの和平協議が合意なしで終了した。
タリバン暫定政権のムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官は8日、パキスタンの要求を「理不尽」と非難し、決裂の原因はパキスタン側にあると主張した。
両政府は先月、国境付近で数十人の死者を出した衝突が数日続いた後、停戦を発表。その後、この期間を延長し、停戦合意を尊重すると約束した。
最初の協議はカタール・ドーハで10月19日に行われ、停戦が成立した。
両国は10月25日から30日にかけて行われた2回目の協議で「停戦を維持」することで合意した。
しかし、国境検問所は閉鎖されたままであり、物資を運ぶ数百台のトラックが足止めを食らっている。
紛争は10月9日にカブールで発生した爆発事件をきっかけに勃発。タリバン暫定政権はパキスタンを非難し報復を宣言した。
両国は11月6日からイスタンブールで協議していた。
ムジャヒド氏は南部カンダハルの記者団に対し、「パキスタンの要求は理不尽であり、協議は進展せずに終了した。現時点で協議は行き詰まっている」と語った。
またムジャヒド氏は、「アフガンは地域の不安定化を望んでいない」とする一方、「戦争が勃発した場合、我々は自衛する権利を有する」と強調した。
タリバン暫定政権はこの記者会見に先立ち、書面で「他国に対する攻撃の拠点として自国領土の使用を許さず、主権や安全保障を損なう行為も認めない」と表明した。
パキスタンのアシフ(Khawaja Mohammad Asif)国防相は8日の声明で、「現時点で協議の予定はない」としたうえで、「アフガン側からの越境攻撃がない限り、停戦を維持する」と述べた。
アフガンと国境を接するパキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州では近年テロが多発。その多くにパキスタン最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)と反政府勢力バルチスタン解放軍(BLA)が関与している。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。
パキスタン当局は現在、この2州と周辺地域で大規模な対テロ作戦を実施中である。
パキスタン政府はタリバンがTTPを支援していると非難しているが、タリバン暫定政権はこれを否定している。
