パキスタン・アフガン和平協議決裂、国境付近で緊張高まる
両国の代表団はトルコ・イスタンブールで25日から2回目の協議を行っていた。
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パキスタン政府は29日、アフガニスタン・タリバン暫定政権との和平交渉が決裂したと発表した。
両国の代表団はトルコ・イスタンブールで25日から2回目の協議を行っていた。
パキスタン首相府はSNSへの投稿で、タリバンが国境を越えた致命的な攻撃の責任を問われている武装勢力への対応を拒否したと非難した。
パキスタン政府とタリバン暫定政権は国境付近で数十人の死者を出した衝突が数日続いた後、停戦を発表。その後、この期間を延長し、停戦合意を尊重すると約束した。
最初の協議はカタール・ドーハで10月19日に行われ、停戦が成立した。
地元メディアによると、両国の国境で戦闘や新たな衝突は報告されていないという。
アフガンと国境を接するパキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州では近年テロが多発。その多くにパキスタン最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)と反政府勢力バルチスタン解放軍(BLA)が関与している。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。
パキスタン当局は現在、この2州と周辺地域で大規模な対テロ作戦を実施中である。
パキスタン政府はタリバンがTTPを支援していると非難しているが、タリバン暫定政権はこれを否定している。
パキスタンの情報相は29日未明、X(旧ツイッター)への投稿で、「カタールとトルコの仲介にもかかわらず、タリバンは実行可能な提案を拒否した」と非難した。
タリバン暫定政権はコメントを出していない。
AP通信は情報筋の話しとして、「タリバンの代表団はパキスタン側が示して提案を承認する権限を有しておらず、決定を下すのは最高指導者アクンザダ(Hibatullah Akhundzada)師である」と伝えている。
タリバン側が提案を持ち帰ったかどうかは不明だ。
両国の国境検問所はこの衝突以来、2週間以上閉鎖されたままである。
