パキスタン軍「アフガンがテロリストの拠点になりつつある」警告
軍報道官は記者会見で、アフガンのタリバン暫定政権が国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織、パキスタン最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)など過激派を庇護しているとの見方を示したが、具体的な証拠は示さなかった。
」の戦闘員(Getty-Images)-scaled.jpg)
パキスタン軍は6日、隣国アフガニスタンが「テロリストや武装勢力のハブ(拠点)」になりつつあり、地域全体の安全保障に重大な脅威を及ぼす可能性があると警告した。軍報道官は記者会見で、アフガンのタリバン暫定政権が国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織、パキスタン最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)など過激派を庇護しているとの見方を示したが、具体的な証拠は示さなかった。
また報道官はシリアのアサド政権崩壊後に約2500人の外国人武装勢力がアフガンに流入したと主張。「これらのテロリストはパキスタン人でもアフガン人でもなく、他国籍だ」と述べた。さらに、「これらの勢力が再び活動を活発化させれば、アフガンだけでなく、より広範な地域への脅威になる可能性がある」と強調した。
パキスタンは近年、中国と共同で、アフガン領内で活動するテロ組織に対して「目に見える検証可能な」対策を取るよう暫定政権に求めてきた。これには、こうした勢力が他国に対する攻撃の拠点として活動するのを防ぐことが含まれている。中国はパキスタン側の対テロ努力を評価しているが、タリバン暫定政権はこうした主張を否定し、自国の安定と主権を強調している。
両国の関係はここ数か月で劇的に悪化、時折衝突が発生している。昨年10月にはパキスタン軍がアフガン内のTTPの隠れ家とされる地点を空爆。これに対し、タリバン暫定政権はパキスタン軍の陣地を攻撃するなど、緊張が高まった。カタールが仲介した停戦で戦闘は収まったものの、根本的な対立は解消されていない。
パキスタンはまた、アフガン領内に拠点を置く勢力が2025年にパキスタン国内で発生した主要な攻撃の多くに関与しているとの見方を示し、2025年に同国軍が2597人の武装勢力を殺害し、5397件のテロ攻撃が記録されたと明らかにした。前年は3014件であった。治安当局はアフガン国境の警備を特に強化している。
パキスタン側は、アフガンを単なる隣国ではなく、地域全体の不安定化に直結する脅威とみなし、外交的・軍事的圧力を強めている。特にTTPやバルチスタン解放軍(BLA)といった組織がアフガン領内に拠点を置いていると非難し、これらがパキスタン国内の安全を直接脅かしていると主張している。
一方でタリバン暫定政権はこうした主張を「無責任」と退けている。タリバンの報道官は6日、アフガンの治安や主権は完全に確立され、国外に向けたテロ活動の支援などしていないと改めて反論した。両国間の相互不信は根強く、外交交渉や国際社会の仲介を通じた緊張緩和が求められている。
今回の声明は、アフガン情勢が単なる国内問題にとどまらず、南アジア全域の安全保障に影響を与えかねないとの懸念を示している。パキスタンは国連や関係国を巻き込みつつ、国際的な圧力を高める方針を模索しており、地域の安定を巡る対話は今後も続く見込みだ。
