パキスタン2025年の戦闘死者数3400人、過去10年で最悪、テロ相次ぐ
パキスタンは近年、TTPやその他武装組織による攻撃の激化に直面しており、特にアフガンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州や南西部バルチスタン州での暴力が顕著になっている。
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パキスタンは2025年、過去10年で最悪となる戦闘関連死者数を記録した。独立系シンクタンク「PICSS(パキスタン紛争安全保障研究所)」が1月1日に公表したレポートによると、前年と比べ戦闘による死者数が74%増加し、3413人が死亡した。これには過激派や治安部隊、民間人の犠牲者が含まれている。
2024年の死者数は1950人、この急増は同国で深刻な安全保障上の危機が続いていることを浮き彫りにしている。うち2138人は武装勢力の戦闘員で、これは前年に比べ124%の増加となっている。増加の背景には同国最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)をはじめとする複数の過激派が治安部隊への攻撃を激化させていることがあると指摘している。
PICSSは死者数増加の一因として自爆攻撃の増加と、アフガニスタンからの米軍撤退後に残された装備品が過激派に流出したことを挙げている。これにより過激派の戦闘能力が向上し、より致命的な攻撃が可能になったという。
治安部隊側の死者も667人に達し、これは2011年以来最も高い水準となった。また、580人の民間人が暴力行為で命を落とし、これも2015年以来の高水準であるという。さらに、政府支持の委員会メンバー28人の死亡も確認された。
報告は、2025年にパキスタン国内で少なくとも1066件の武装勢力による攻撃が記録され、自爆攻撃も前年に比べ53%増加したと指摘している。また、治安当局はインテリジェンスに基づく作戦を6万7023件実施し、約500人の過激派を逮捕した。これに対し、同じ作戦で1873人の過激派が殺害されたとしている。
パキスタンは近年、TTPやその他武装組織による攻撃の激化に直面しており、特にアフガンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州や南西部バルチスタン州での暴力が顕著になっている。これら地域では治安部隊と過激派との戦闘が頻発し、民間人が巻き込まれる事例も増加している。
同国はアフガンのタリバン暫定政権にも越境攻撃への対応を求めているが、タリバン側はこれを否定し、両国の緊張は高まっている。2025年10月には国境付近で衝突が発生し、数十人が死亡、数百人が負傷したと伝えられている。この影響で国境検問所が閉鎖され、貿易や人の往来に支障をきたしている。
パキスタン政府は治安部隊の強化や反テロ作戦の推進を継続しているが、暴力の根絶には至っていない。専門家は、国内の経済的困難や政治的不安定が暴力を助長していると指摘し、包括的な政策と地域協力の必要性を訴えている。パキスタンは地域の安全保障と国内治安の双方で大きな課題に直面している。
