パキスタン・アフガン紛争、国境地帯で戦闘激化、数百人死傷
国際社会はこの衝突に深刻な懸念を表明し、特に国連は即時停戦と対話による解決を求めている。
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パキスタン政府は3日、アフガニスタン国境地帯での激しい軍事衝突において、自国軍がアフガン・タリバンの兵士67人を殺害したと発表したが、アフガニン側はこの主張を強く否定している。この軍事衝突は両国の国境沿いで5日間にわたって続いており、地域の緊張が急速に高まっている。
パキスタン当局によると、アフガン軍は南西部バルチスタン州や北西部カイバル・パクトゥンクワ州の国境地帯にあるパキスタン軍の陣地に対して地上攻撃を仕掛けているという。
パキスタン軍の報道官は声明で、これらの攻撃が「多数の場所で同時に行われた」と説明し、反撃の結果としてアフガン部隊67人とパキスタン軍の兵士1人が死亡したと主張した。さらにパキスタン側はこれまでにアフガン側の部隊数百人を殺傷し、被害を与えたと述べ、国境沿いの軍事行動を強化しているとした。
これに対して、タリバン暫定政権はパキスタンの発表を「根拠のない虚偽の主張」と否定した。国防省の報道官は声明で、アフガン軍はパキスタン側からの攻撃を撃退し、パキスタン兵数人を倒したと述べている。また、タリバンの別の報道官はX(旧ツイッター)への投稿で、パキスタン軍が民間地域や難民キャンプを空爆している主張し、多数の民間人が死亡したと述べた。これに対してパキスタン側は民間人への攻撃を否定、タリバンが偽情報を拡散していると非難した。
両国が発表した死傷者数は大きく食い違っており、メディアや第三者機関による確認は困難な状況だ。パキスタンは国境地帯を利用してイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)などの武装勢力がパキスタン国内でテロ攻撃を行っていると非難し、その避難所としてアフガンが機能していると主張している。しかし、アフガン側はこれを否定し、自国はパキスタンへのテロ攻撃を助長していないと反論している。
この国境衝突は2025年にカタールとトルコが仲介した停戦協定が実効性を保てないまま破綻した後、激化した。両国はこれまでも断続的に銃撃戦や砲撃を繰り返し、今回の激しい衝突はその延長線上にあるとみられる。パキスタン政府はアフガン側に対し、TTPやその他武装勢力に対する具体的な対応を要求しているが、双方の溝は埋まっていない。
国際社会はこの衝突に深刻な懸念を表明し、特に国連は即時停戦と対話による解決を求めている。国境地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)など他の武装勢力も活動しており、人道危機が拡大する恐れがある。専門家はアフガンとパキスタンの緊張が長期化すれば、南アジア全体の安全保障環境に深刻な悪影響を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らしている。
