パキスタンとアフガン・タリバン、中国で和平協議中、国境付近で戦闘続く中
今回の協議は中国政府の仲介によって実現したもので、両国の代表団が現地入りしている。
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パキスタン政府は2日、アフガニスタンのタリバン暫定政権との新たな和平協議が中国で進行中であると明らかにした。協議は新疆ウイグル自治区のウルムチで行われており、数週間にわたる激しい戦闘の終結と恒久的な停戦の実現を目指している。
今回の協議は中国政府の仲介によって実現したもので、両国の代表団が現地入りしている。アフガン側は中堅クラスの代表団を派遣したとされる一方、パキスタン側の代表者は明らかになっていない。中国はこれまで両国に対話を促し、地域の安定確保に向けた外交的役割を強めてきた。
背景には2026年に入ってから急激に悪化した両国関係がある。2月以降、国境地帯で衝突が激化し、数百人規模の死者が出るなど、タリバンが2021年に政権を掌握して以降で最も深刻な対立となっている。戦闘は貿易や人の往来にも影響を及ぼし、地域経済に打撃を与えている。
対立の主因は武装勢力の問題である。パキスタンは国内でテロ攻撃を行うTTP(パキスタンのタリバン運動)などのイスラム過激派がアフガン領内に拠点を置いていると非難し、軍事作戦を実施してきた。これに対しアフガン側は関与を否定し、暴力の原因はパキスタン国内の問題だと反論している。
特に緊張が高まったのは、パキスタン軍による空爆を巡る問題である。タリバン暫定政権は首都カブールなどへの空爆で400人を超える民間人が犠牲になったと非難、パキスタンはこれを否定し、双方の主張は大きく食い違っている。パキスタン側はあくまで武装勢力の拠点を標的にしたと説明している。
パキスタン政府はアフガンとの「事実上の戦争状態」にあるとの認識も示しており、状況は極めて緊迫している。これまでにもカタールやトルコなどで停戦仲介を試みてきたが、いずれも長期的な成果にはつながらなかった。
今回のウルムチ協議は停戦の実現に加え、国境の安全確保や貿易再開なども議題となる見通しである。特にパキスタン側は、越境攻撃の防止に関してアフガンから具体的かつ検証可能な措置を引き出すことを重視しているとされる。
中国が仲介に乗り出した背景には、地域の安定が自国の安全保障や経済戦略に直結するとの判断がある。両国と国境を接する中国にとって、紛争の長期化は安全上のリスクとなるほか、「一帯一路」構想にも影響を及ぼしかねない。
今回の協議は激化する軍事衝突を外交的手段で収束させる試みとして注目される。ただし、双方の主張の隔たりは依然大きく、実効性のある合意に至るかは不透明である。停戦の実現には武装勢力への対応を巡る相互不信をいかに解消できるかが最大の焦点となる。
