パキスタン軍がアフガニスタン東部を空爆、武装勢力70人殺害
パキスタン側は自国で発生した一連のテロ攻撃にアフガンに拠点を置く過激派が関与したとして、空爆を正当化している。
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パキスタン軍は22日未明、アフガニスタンとの国境地域で空爆を実施し、少なくとも70人の武装勢力を殺害したと発表した。パキスタン側は自国で発生した一連のテロ攻撃にアフガンに拠点を置く過激派が関与したとして、空爆を正当化している。
地元メディアは内務省高官の話しとして、「少なくとも70人のテロリストを排除した」と伝えているが、それ以上の詳細は明らかになっていない。パキスタンの国営メディアは死傷者数を80人と報じた。
パキスタン政府は標的について、イスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)やその関連組織の隠れ家およびイスラム国(ISIS)系組織などの拠点と説明。X(旧ツイッター)への投稿で「インテリジェンスに基づいた軍事作戦を実施した」と述べ、この空爆は最近の自爆攻撃やテロ事件に対するものと主張した。
一方、アフガン当局はこれに強く反発している。タリバン暫定政権は声明で、東部ナンガルハル州とパクティカ州のさまざまな民間地域が空爆により被害を受けたと主張し、宗教学校や複数の民家が攻撃されたと述べた。
タリバンのムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官はXで、空爆によって女性や子どもを含む数十人が死亡・負傷したと報告し、パキスタン側の主張を「不正確」と否定した。これらの被害について、ナンガルハル州赤新月社は少なくとも18人が死亡、多数が負傷したと報告している。
アフガン外務省は駐パキスタン大使を召還し、抗議文書を手渡した。声明は今回の空爆をアフガンの領空と主権の侵害と断じ、今後の結果についてパキスタン政府が責任を負うと警告した。
空爆を受けた地域の住民は瓦礫を片づけたり、葬儀の準備を進めているとの報道もある。酋長の1人はロイター通信の取材に対し、空爆で死亡したのは武装勢力ではなく貧しい村人であり、戦闘員でも政府関係者でもなかったと述べた。
パキスタン側はこれまで、国境地域を拠点とするイスラム過激派が国内で自爆攻撃やテロを繰り返していると非難してきた。最近では首都イスラマバードのシーア派モスクでの爆破事件で31人が死亡したほか、北西部カイバル・パクトゥンクワ州各地で自爆テロや襲撃が多発し、これらについてTTPの関与を指摘している。しかしアフガン側はこれを否定し、パキスタンがその責任をアフガンに擦り付けていると非難している。
国境地帯では2025年10月にも大規模な衝突が発生し、数十人が死亡するなど緊張が高まった経緯がある。両国間の安全保障上の対立は依然として続いており、近年の暴力の連鎖は地域の不安定化を一層深めている。
