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パキスタンとアフガン・タリバンが停戦協議開始、中国が仲介


両国の対立の背景には、武装勢力の存在をめぐる根深い不信がある。
2026年3月17日/アフガニスタン、首都カブール、パキスタン軍の空爆を受けたとされる建物(AP通信)

パキスタンとアフガニスタンのタリバン暫定政権が中国の仲介のもとで停戦に向けた協議を開始した。両国は国境地帯で戦闘を続けており、今回の協議は情勢安定に向けた重要な一歩とみられている。

AP通信によると、協議は新疆ウイグル自治区のウルムチで行われ、数日間にわたって継続される見通しである。協議にはアフガン側から外務、国防、内務各省および情報機関の代表が参加しており、パキスタン側も政府高官が出席しているとされる。ただし、両国政府は会談の詳細を明らかにしていない。

今回の対話は、中国が仲介役として主導したもので、2月以降続く戦闘の終結と持続的な停戦の実現を目指している。中国はこれまでにも両国に対し対話再開を働きかけ、特使がカブールやイスラマバードを訪問するなど、調整を進めてきた経緯がある。

しかし、協議が行われている最中も現地では衝突が続いている。アフガン東部クナル州の当局者は4月1日、パキスタン軍が迫撃砲を発射し、民間人2人が死亡、複数が負傷したと主張した。パキスタン側はコメントを出していない。

両国の対立の背景には、武装勢力の存在をめぐる根深い不信がある。パキスタンは国内でテロ攻撃を行うTTP(パキスタンのタリバン運動)などのイスラム過激派がアフガン領内に拠点を持っていると非難しているのに対し、アフガン側はこれを否定、問題はパキスタン国内の治安問題だと反論している。

近年、両国関係は急速に悪化している。2026年2月以降、国境地帯では空爆や砲撃を含む軍事衝突が激化し、多数の死傷者が出ている。特にパキスタンによる空爆ではアフガン側が民間人への被害を訴えるなど、国際社会からも懸念の声が上がっている。

一時はイスラム教の祝祭に合わせて停戦が実現したものの、その後は再び戦闘が再開され、停戦は長続きしなかった。過去にもカタールやサウジアラビア、トルコなどが停戦協議を仲介してきたが、いずれも恒久的な合意には至っていない。

今回の中国主導の協議では停戦の実効性を確保するための「検証メカニズム」の構築が重要な焦点となっている。これまでの停戦は監視体制の不備により破綻するケースが多く、双方が合意を履行しているかを確認する仕組みの必要性が指摘されている。

専門家は今回の対話を前向きな動きと評価する一方で、実質的な成果を得るには時間がかかるとの見方を示している。両国の対立は長年にわたり続いており、武装勢力や国境管理、難民問題など複雑な要因が絡み合っているためである。

また、国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)などが地域内で活動を続けていることも、情勢の不安定化に拍車をかけている。こうした組織が両国の対立を利用して勢力を拡大する可能性も指摘されている。

今回の協議は近年で最も深刻な両国間の対立を緩和する試みとして注目されているが、現場では依然として武力衝突が続いており、停戦実現への道のりは平坦ではない。中国の仲介がどこまで成果を上げられるか、そして両国が対話を継続できるかが、今後の地域情勢を左右する重要な鍵となる。

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