◎両国の当局者は17日の声明で、大使の娘である26歳のシルシラ・アリキル氏は数時間拘束され、残酷に殴打されたと述べた。
パキスタン・イスラム共和国/首都イスラマバード(khalidgd/Pixabay)

パキスタンの現地メディアによると、駐アフガニスタン大使の娘が首都イスラマバードの中心部で何者かに拉致され、拷問を受けたという。

両国の当局者は17日の声明で、大使の娘である26歳のシルシラ・アリキル氏は数時間拘束され、残酷に殴打されたと述べた。同氏は現在、当局の保護下に置かれているが、解放に至った経緯などは明らかにされていない。

アフガニスタンの外務省はパキスタンに迅速な調査を要求した。

AP通信によると、アリキル氏は現在首都イスラマバードの病院で治療を受けているという。APは同氏の容体について、「頭部を負傷し、手首と脚にはロープで縛られたような跡があり、全身をひどく殴打されていた」と報じた。

アリキル氏は5時間以上拘束され、その後警察当局に保護されたと伝えられているが、事件の詳細は不明。

パキスタン当局は誘拐を「凶悪事件」と呼び、駐アフガニスタン大使の住居周辺の警戒態勢を強化したと述べた。

両国の関係は疑惑と敵意に満ちている。

アフガン政府は、「パキスタン政府は数千人のジハード軍をアフガニスタンに送り込み、タリバンを保護している」と非難している。

これに対しパキスタン政府は、「アフガン政府は反政府武装勢力であるパキスタンのタリバンと分離派のバルーチスターン解放軍を保護している」と非難している。

アフガニスタンの治安は米軍とNATO軍の撤退準備に伴い著しく悪化しており、苛立つアフガン政府内の一部議員はパキスタンへの非難を強化した。

アフガニスタンの外務省は17日に駐パキスタン大使のマンスール・アフマド・カーン氏を呼び出し、誘拐事件を速やかに解決するよう要求した。同省は声明の中で、「パキスタン政府は事件の加害者を速やかに特定し、処罰しなければならない」と述べた。

パキスタンの有力な女性議員のひとりであるシェリー・ラーマン上院議員も誘拐犯を厳しく非難し、政府に対策の強化を求めた。「政府はイスラマバードの中心部で外国使節団の家族が誘拐されたことを重く受け止めなければなりません」

2014年に南部の港湾都市カラチで銃撃を受け、生存したジャーナリストのハミド・ミル氏も首都イスラマバードの治安に懸念を表明した。「今すぐ監視体制を強化してください。監視カメラの増設は必要不可欠です」

ミル氏は、一般市民だけでなく警察とその家族も誘拐に直面しており、犯人はほとんど逮捕されていないと述べた。

イスラマバードには外交使節団の本拠地があり、大使の住居や施設の大半は要塞化された飛び地の中にある。しかし、アフガニスタン大使の住居は要塞の外にあるため、誘拐犯はアリキル氏を追跡しやすかったと考えられている。

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