◎この男性は地元の航空会社スシ・エアーのパイロットであり、昨年2月、西パプア州の隣の地域に小型機で物資を運ぶ途中、TPNBPの襲撃に遭い、拉致された。
西パプア民族解放軍(TPNPB)の傭兵と拘束されたNZ市民(中央)(BBC News Indonesia)

インドネシア・西パプア州のゲリラ組織「西パプア民族解放軍(TPNPB)」に誘拐されたニュージーランド人パイロットが解放された。インドネシア当局が20日、明らかにした。

この男性は地元の航空会社スシ・エアーのパイロットであり、昨年2月、西パプア州の隣の地域に小型機で物資を運ぶ途中、TPNBPの襲撃に遭い、拉致された。

パプア地域の紛争を処理するタスクフォースの責任者は声明で、「我々は20日、男性パイロットを引き取り、安全な地域に移送、捜査当局に無事引き渡した」と明らかにした。

インドネシア国家警察も声明を出し、「男性の健康状態は良好で、健康診断と生理学的検査を受けている」と述べた。

TPNBPは声明を出しておらず、身代金が支払われたかどうかは不明だ。

TPNPBは中央政府がパプアの独立を認めた場合のみ、パイロットを解放すると脅していた。

インドネシア領パプア(旧オランダ領)はインドネシア本島とは民族的・文化的に大きく異なる。パプアは1961年にオランダから独立したものの、2年後にインドネシアの支配下に置かれた。

インドネシア政府は国連が主導した1969年の投票でパプアを編入。それ以来、西パプア州とパプア州では紛争が続いており、解決の見通しは立っていない。

TPNPBや「自由パプア運動(OPM)」などの反政府勢力はパプアの分離独立を目指している。

ニュージーランドのメディアは今週初め、TPNPBが男性の解放に新たな条件を提示したと報じていた。

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