◎オーストラリア放送協会(ABC)は8日、ジョコビッチ選手の弁護士が当局に提出した文書を初めて公開した。
1月8日、オーストラリア放送協会(ABC)などによると、移民収容ホテルに閉じ込められたセルビアのテニススター、ノバク・ジョコビッチ選手は昨年12月16日にコロナ検査で陽性と診断されていたという。
ジョコビッチ選手は今週、全豪オープンテニスの会場であるビクトリア州メルボルンに到着したが、入国ビザを取り消され、ホテルに収容された。ジョコビッチ選手は入国前、ビクトリア州当局にコロナワクチン接種規則の免除を受けたと明らかにしていた。
ビクトリア州政府によると、大会に出場する選手および関係者は入国前にコロナワクチンを接種するか、独立した専門家委員会にワクチン接種免除を申請し許可を受ける必要があるという。
ワクチン免除申請は2つの独立した委員会によって評価される。ABCによると、免除は心臓病やその他の特定の基礎疾患を持つ人、コロナワクチンを接種し深刻な副反応に見舞われたことがある人、「過去6か月以内にコロナに感染し回復した人」などに適用される。
ジョコビッチ選手の弁護士はビザの取り消しに異議を申し立てており、最初の法廷審問は1月10日に行われる予定である。
オーストラリアのコロナ対策は西側諸国の中で最も厳しく、その中で生活している一部の市民はテニススターに免除が与えられたという報道に激怒した。ジョコビッチ選手はコロナワクチンを接種したかどうかを明らかにしていないが、昨年4月に「接種を強制されたくない」と述べていた。なお、ジョコビッチ選手は2020年6月にもコロナに感染している。
ABCは8日、ジョコビッチ選手の弁護士が当局に提出した文書を初めて公開した。それによると、ジョコビッチ選手は昨年12月30日にオーストラリア政府の医療専門家から、「最近コロナから回復したという理由でワクチン接種を免除すると記された手紙を受け取った」という。
また文書によると、ジョコビッチ選手が陽性と診断されたのは12月16日で、発熱などの症状は見られなかったという。
しかし、ジョコビッチ選手は12月17日にセルビア国内で開催された式典に出席し、マスクレスで関係者と握手する様子をツイートしていた。
An honor to receive my very own Serbian stamp. Thank you to my generous country for this rare gift! I’m humbled!! Excited to share we’ll partner with the Serbian National Postal Service on @novakfoundation projects for every child to have the opportunity to attend preschool 🙏🏼 pic.twitter.com/Ww8Zma95NU
— Novak Djokovic (@DjokerNole) December 17, 2021
AFP通信によると、ジョコビッチ選手は同じく12月17日にテニスの練習場でセルビアの若手選手とマスクレスで写真を撮影していたという。この時ジョコビッチ選手が陽性を認識していたかどうかは不明。
ソーシャルメディアには様々な意見が寄せられた。あるオーストラリア人ユーザーは、「ジョコビッチは16日に陽性と診断されたことを失念していた可能性がある」とツイートした。
別のユーザーは、「テニススターは1日でコロナを克服した」と述べ、あるオーストラリア人は、「ジョコビッチはコロナに感染したが、感染していなかったようだ」とフェイスブックに投稿した。
一方、ワクチン免除ビザでオーストラリアに入国し、ジョコビッチ選手と同じようにビザを破棄されホテルに収容されたレナタ・ボラコバ選手(チェコ共和国)は8日、移民収容ホテルを「刑務所」と呼んだ。ボラコバ選手も最近コロナに感染したと伝えられている。
セルビアのアナ・ブルナビッチ首相は8日の記者会見で、ジョコビッチ選手は最終決定が下されるまでメルボルンのホテルに留まると述べた。「私たちはグルテンフリーの食品がノバクの元に届いていることを確認し、家族と連絡を取るためのツール、ラップトップ、SIMカードを提供しました」
ブルナビッチ首相によると、オーストラリア当局の口調は前向きだったという。
オ保健当局にまとめによると、オーストラリアの1月8日のコロナ新規陽性は初めて10万件を超えたという。全豪オープンテニスの会場であるビクトリア州の陽性は51,356件で過去最多を更新した。ニューサウスウェールズ州は45,098件。直近1週間の死亡者は15人以下を維持している。
全豪オープンテニスは1月17日に開幕する予定。ジョコビッチ選手は同大会を9度制している。