北朝鮮・金正恩が中国外相と会談、「多極化世界」への支持表明
会談は4月10日に行われ、王毅外相にとっては約7年ぶりの訪朝となった。
と中国の王毅外相(KCNA/AP通信).jpg)
北朝鮮の金正恩(Kim Jong Un)党総書記が10日、中国が掲げる「多極化世界」の構築を支持する姿勢を明確にした。国営朝鮮中央通信(KCNA)が11日に報じた。それによると、キムは平壌で行われた中国の王毅(Wang Yi)外相との会談でその旨を表明し、中国との戦略的連携を一層強化する意向を示した。
会談は4月10日に行われ、王毅外相にとっては約7年ぶりの訪朝となった。KCNAによると、キムは現在の国際情勢を踏まえ、「公正で多極的な世界秩序」の実現に向けた中国の取り組みを全面的に支持すると述べたという。また、中国の主権と領土的一体性を尊重する立場から、「一つの中国」原則への支持も改めて表明した。
さらにキムは変化する国際環境の中で両国関係の発展が一層重要になっていると指摘し、あらゆるレベルでの交流と協力を拡大する必要性を強調した。これに対し王毅氏は両国関係が新たな段階に入っているとの認識を示し、戦略的意思疎通の強化や実務協力の拡大に意欲を示した。
今回の訪朝はコロナ流行以降停滞していた中朝間の高官往来が本格的に再開されつつあることを象徴するものでもある。両国は伝統的な同盟関係にあり、近年は北がロシアとの関係も強化する中で、中国との関係再強化の動きが注目されている。
北は近年、米国や韓国との対話が停滞する中で、外交戦略の軸足をロシアおよび中国との連携に移している。2019年の米朝首脳会談決裂以降、非核化交渉は事実上停止し、北はミサイル開発を継続するなど強硬姿勢を強めている。一方で、中国は朝鮮半島の安定維持を重視しつつ、北との関係維持を外交上の重要課題としている。
今回の会談では具体的な安全保障問題や米国への直接的言及は報じられていないものの、国際秩序の在り方をめぐる認識で両国が足並みをそろえた形となった。特に「多極化世界」という概念は、米国主導の国際秩序に対抗する枠組みとして中国が提唱しているもので、北がこれを支持したことは両国の政治的結束を改めて印象付ける結果となった。
中朝関係の強化は東アジアの安全保障環境にも影響を及ぼす可能性がある。米国や韓国、日本が警戒を強める中で、北が中国との連携をどの程度実質的な協力へと発展させるのかが今後の焦点となる。外交的対立と協調が交錯する中、地域情勢は引き続き不安定な状況が続くとみられる。
