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北朝鮮・金正恩が軍需工場視察、拳銃の試し撃ちも=国営メディア


キム親子は11日、拳銃などの小型兵器を生産する工場を訪れ、新たに生産が始まった拳銃を試し撃ちした。
2026年3月12日に北朝鮮メディアが公開した写真、金正恩 党総書記(KCNA/AP通信)

北朝鮮の金正恩(Kim Jong Un)党総書記が新たに生産された拳銃の性能を確認するため軍需工場を視察し、射撃場で試射を行った。国営朝鮮中央通信(KCNA)が12日に報じた。KCNAが公開した写真には、キムの娘であるジュエ(Ju-Ae)も視察に同行し、父親とともに拳銃を撃つ様子が写っていた。

報道によると、キム親子は11日、拳銃などの小型兵器を生産する工場を訪れ、新たに生産が始まった拳銃を試し撃ちした。KCNAは、キムが工場の生産状況を確認した後、屋内の射撃場で新型拳銃を試射したと伝えている。キムはこの武器について、命中精度や構造、戦闘での実用性などを評価し、「優れた性能を持つ」と称賛したという。

公開された写真では、キムの隣に立つジュエが拳銃を構え、射撃する姿も確認できる。記事ではその名前に触れていないものの、外見などからジュエであることが確認された。ジュエは13歳前後とみられ、近年はミサイル発射実験や軍関連行事など、重要なイベントにたびたび同行している。

北では長年、核・ミサイル開発が軍事政策の中心となってきたが、近年は通常兵器の近代化も強調されている。今回の工場視察もその一環とみられ、キムは軍や治安部隊、民兵組織に供給する軽火器の生産能力を拡大する必要性を強調したとされる。KCNAは拳銃などの小型武器を製造する工場が軍の戦闘能力向上に重要な役割を果たすと指摘している。

また、キムは国防力の近代化計画に基づき、関連工場の設備更新や生産ラインの拡張を進めるよう指示した。今後、軍需産業の近代化や兵器生産の拡大について、朝鮮労働党の軍事委員会でさらに議論される見通しとされる。

ジュエの同行が注目される理由は、彼女が将来の後継者として育成されている可能性が指摘されているためである。ジュエは2022年にミサイル発射実験の視察に初めて登場して以来、軍事パレードや兵器関連の行事に頻繁に姿を見せ、北の権力継承をめぐる象徴的な存在として国際社会の関心を集めている。韓国の情報機関も、ジュエが後継者候補として位置付けられている可能性を指摘している。

今回の視察では、父娘が並んで射撃する写真が公開されたことで、軍事活動への関与を示す演出ではないかとの見方も出ている。北は指導者の権威を国内外に示すため、軍事施設や兵器開発の場面を頻繁に公開してきた。専門家の間では、こうした公開行事が体制の安定性や後継体制の準備を示す政治的メッセージを含んでいる可能性があると分析されている。

北が核・ミサイル開発と並行して通常兵器の近代化を進める姿勢を示す中、指導者の娘が軍関連の場に頻繁に登場する状況は、同国の将来の権力構造を占ううえでも注目を集めている。

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