◎北は18日にICBM「火星17」を日本海に向けて発射した。
北朝鮮の国営メディアは21日、国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長を「米国の傀儡」と呼び、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を非難する国連決議案に遺憾の意を表明した。
グテレス氏は20日、北のICBM発射を強く非難する声明を発表し、挑発的な行動も直ちにやめるよう改めて要請した。
北は18日にICBM「火星17」を日本海に向けて発射した。
米国、韓国、日本政府は北を厳しく非難している。安保理は21日に緊急会合を開く予定だ。
朝鮮中央通信社(KCNA)によると、崔善姫(Choe Son Hui)外相はグテレス氏を米国の操り人形と呼び、非難声明に遺憾の意を表明したという。
外相は声明で、「私はしばしば国連事務総長を米国の一員と間違える。国連事務総長が国連憲章の趣旨と原則、そしてあらゆる問題で公平性と客観性を維持するという本来の使命を忘れ、非常に嘆かわしい態度を取ったことに強い遺憾の意を表明する」と述べている。
また外相は米国とその同盟国が安保理に非難決議案を提起したことについて、「国連事務総長は米国の操り人形だ」と非難した。
安保理は日本の要請を受け、21日午前に緊急会合を開く予定。
しかし、拒否権を持つ中国とロシアはこれに一環して反対しているため、安保理として声明を出すことはできないとみられる。
韓国の専門家によると、18日の実験は核能力と将来の外交における影響を高めることを目的としているようにみえるという。
実験を監督・指導した金正恩(Kim Jong Un)党総書記は米国を念頭に置き、「敵が脅威を与え続けるのであれば、核には核で、戦争には戦争で応える」と警告した。
西側の専門家によると、火星17は開発段階とみられるが、米国本土を射程に収め、複数の核弾頭を搭載できるように設計されている可能性が高いという。
崔外相は発射実験を擁護し、「米国とその同盟国による挑発的な核戦争のリハーサルに対する正当な自衛権の行使である」と主張した。
一方、グテレス氏は朝鮮半島の緊張が高まっていることについて、「非常に嘆かわしい」と北を糾弾した。
崔外相は17日、米国が日本と韓国の安全保障を強化すると表明したことについて、「より厳しく対応する」と警告していた。