◎北朝鮮は米国本土を射程に収める長距離弾道ミサイル(ICBM)の開発を進めているものとみられる。
2022年6月23日に北朝鮮国営メディアが公表した写真、金正恩 党総書記(Korean Central News Agency/Korea News Service/AP通信)

北朝鮮の国営メディアは24日、金正恩(Kim Jong Un)党総書記が前線部隊の任務に関する「重要軍事行動計画」を承認し、国の核抑止力をさらに強化するよう命じたと報じた。

朝鮮中央通信(KCNA)は前線部隊の新たな任務の詳細には触れていないが、多くの専門家が「北は38度線周辺に核兵器を配備する可能性がある」と指摘している。

北朝鮮は米国本土を射程に収める長距離弾道ミサイル(ICBM)の開発を進めているものとみられる。

専門家は核兵器とICBMに関する北のプロパガンダについて、「米日韓の強力な通常兵器使用を思いとどまらせるためのもの」と考えている。

韓国の駐留米軍は約2万8500人、日本には約5万6000人が駐留している。

キムは23日に終了した朝鮮労働党の軍事委員会の中で、国の軍事力を強化し、あらゆる敵対勢力を圧倒する強力な自衛能力を身に着けるために、全軍に全力を尽くすよう呼びかけた。

北朝鮮の今年のミサイル発射実験数は上半期の時点で年間記録を更新し、少なくとも30発を日本海方向に向け発射している。

キムは最近の実験に加え、北を挑発したり圧力をかけたりすれば先制核攻撃も辞さないと繰り返し発言している。

北朝鮮が前線に核兵器を配備する可能性は4月頃から予測されていた。キムは今年、前線砲兵部隊の火力を劇的に改善し、「戦術核の運用効率を高める」とする新型短距離ミサイルの実験を監督したとKCNAは報じている。

韓国の専門家は北の過去に類を見ない発射実験数と頻度について、「核兵器を進歩させ、米国に圧力をかけるという金正恩の2つの目的を達せるためのもの」と考えている。米国と北の交渉は2019年に決裂した。

北は2017年9月以来の核実験に踏み切ると噂されているが、最大の貿易相手国である中国も核実験には強く反対しているため、実施するかどうかは不透明な情勢である。

専門家によると、北は次の核実験を利用して、短距離ミサイルや最近実験した極超音速ミサイルや長距離巡航ミサイルなどの兵器に装着する小型核弾頭を製造できるようなったと主張する可能性があるという。キムは小型核弾頭を複数発搭載できる多弾頭ICBMの開発を追求しているとみられる。

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