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北朝鮮、平壌住宅プロジェクトの完成を発表=国営メディア

今回の式典は今年開催される党大会を前にキムが政権の実績を国内外に示す狙いがあるとみられる。
2026年2月16日に北朝鮮メディアが公開した写真、金正恩 党総書記(右)と娘のジュエ(KCNA/ロイター通信)

北朝鮮の金正恩(Kim Jong Un)党総書記が16日、首都平壌で大規模な住宅建設プロジェクトの完成を祝う式典に出席し、約1万戸の新築住宅が完成したと宣言した。国営朝鮮中央通信(KCNA)が17日に伝えた。今回の式典は今年開催される党大会を前にキムが政権の実績を国内外に示す狙いがあるとみられる。

この住宅プロジェクトは平壌市内で進められ、約5万戸の新規住宅建設を掲げた前回の第8回朝鮮労働党大会での目標が達成された形となる。KCNAによると、キムは式典で「第8期における変革的成果を基盤とし、第9回党大会ではさらに大きな再建と創造の目標が掲げられるだろう」と述べたという。

式典にはキムの娘であるジュエ(Ju-Ae)も姿を見せ、完成した住宅を背景に祝福に応じる様子が伝えられた。ジュエの公的な場への登場は近年増えており、一部分析では将来の指導者候補として注目が高まっている。

KCNAは第9回党大会に参加する代表者や関係者が16日までに平壌入りしたと報じた。過去の党大会では代表者到着後3〜4日で本会議が始まっており、今回も同様のスケジュールになる可能性がある。

北では党大会が国内政策の方向性を定め、今後数年の国家戦略を決定する重要な政治行事とされる。こうした大会直前に大規模住宅建設の完了を対外的にアピールすることは、国民生活の向上や体制の成果を強調するための政治的演出との見方もある。

平壌の住宅建設はこれまでもキムが繰り返し視察し、成果を強調してきた分野である。北は経済の対外的制裁や内外の厳しい情勢の中で、住宅供給の改善を「人民の生活向上」の象徴的な政策として位置づけてきた。今回の完成式典で掲げられた5万戸という目標達成は、その象徴的な成果という側面を持つ。

しかし、国外では北の経済困難や食料事情、国民生活の実態をめぐる情報は限られており、公式発表と実際の生活状況との乖離が指摘されることもある。また党大会ではこの住宅建設以外にも軍事、外交、経済政策など幅広いテーマが取り上げられるとみられ、キムは国内統制の強化と外交戦略の両面で発言する可能性がある。

今回の式典は、国が内向けに体制の安定と成果を誇示すると同時に、国際社会に対しても政権の持続性と政策の正当性を示す場となった。党大会を前にしたこうした演出は、今後の政治・経済運営の方向性を占う上でも注目される。

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