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北朝鮮・金正恩、国務委員長に再任=国営メディア


国務委員長は国家元首に相当し、軍の最高司令官として核戦力を含む国家権力を一手に掌握する地位である。
2026年2月20日に北朝鮮メディアが公開した写真、金正恩 党総書記(KCNA/ロイター通信)

北朝鮮の金正恩(Kim Jong Un)党総書記が、国家の最高職に当たる「国務委員長」に再任された。国営朝鮮中央通信(KCNA)が23日に報じた。それによると、キムは首都平壌で22日に開かれた最高人民会議第15期の会合で国務委員長に再任されたという。

再任は同委員会が創設された2016年以降で3期連続となる。国務委員長は国家元首に相当し、軍の最高司令官として核戦力を含む国家権力を一手に掌握する地位である。今回の決定はキム体制の長期的な安定と権力集中の継続を内外に示すものとみられる。

今回の人事は先に開催された朝鮮労働党大会の流れを受けたもので、党大会ではキムが総書記に再選されていた。これに続く最高人民会議での再任により、党・国家・軍を一体的に掌握する統治体制が改めて確認された形だ。北において同会議は立法機関とされるが、実際には党の決定を追認する役割が強いとされる。

会合では人事刷新も行われ、キムの側近である趙甬元(Jo Yong-won)が最高人民会議常任委員長に選出された。また、国務委員会の構成にも変化が見られ、妹の金与正(Kim Yo-jong)が委員から外れた。もっとも、金与正は党内で引き続き重要な役割を担っているとみられ、影響力の低下を意味するものではないとの見方もある。

さらに会議では、憲法改正の検討や経済政策についても議論が行われた。特に注目されているのは、韓国を「敵対国家」と位置付ける方針を憲法に明記する可能性である。キムは近年、従来掲げてきた南北の平和統一路線から距離を置き、両国を「敵対する二つの国家」とする認識へと転換し、今回の改正がその路線を制度的に裏付ける可能性がある。

また、党大会で打ち出された5カ年経済計画の実施状況や2026年の国家予算も議題となった。北は国際制裁や経済的孤立の影響を受け、慢性的な経済難に直面している。こうした状況の中で、体制維持と経済再建をどう両立させるかが大きな課題となっている。

今回の再任は内政面での統制強化とともに、対外的には強硬姿勢の継続を示唆するものでもある。核・ミサイル開発を軸とした安全保障政策や、韓国・米国との対立構造が続く中、キム体制は一層の権力集中の下で国家運営を進める構えだ。今後、憲法改正の具体的内容や人事再編の影響が、北東アジア情勢にどのような波紋を広げるかが注目される。

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