◎報道によると、金正恩は党幹部に対し、2021年上半期までの国務を見直すために、労働党中央委員会の全体会議を開催するよう命じたという。
2021年6月4日/北朝鮮、首都平壌で開催された会合(朝鮮中央通信社/韓国通信社/AP通信)

朝鮮中央通信社によると、金正恩 党総書記は約1カ月ぶりに公の場に姿を現し、衰退する経済を立て直すための会合を主催したという。

朝鮮中央通信社は6月5日の報道の中で、「キム党総書記は党幹部に、イデオロギー的な熱意と自立に向けた作業がスピードアップしていることに感謝の意を示した」と述べた。

報道によると、金正恩は党幹部に対し、2021年上半期までの国務を見直すために、労働党中央委員会の全体会議を6月中に開催するよう命じたという。

北朝鮮の脆弱な経済はコロナウイルスの感染拡大による国境封鎖と、主要同盟国兼貿易国である中国との取り引きが大幅に減少したことで大きく悪化した。

労働党が最後に中央委員会を召集したのは今年2月で、金正恩は年次目標を設定する際、「委員会は消極的で自己防衛的な目標を立てている」と非難し、より攻撃的な年次目標の設定を主導した。

金正恩は4日の会合の中で、「北朝鮮は好ましくない環境によってもたらされた課題に引き続き直面している」と述べたが、朝鮮中央通信社によると、アメリカや韓国には言及しなかったという。

北朝鮮は2019年2月の米朝首脳会談の崩壊以来、核交渉の再開を呼びかける関係国の呼びかけを無視してきた。

先月ワシントンD.C.で開催された米韓首脳会談の中でジョー・バイデン大統領と文在寅 大統領は、「両国は北朝鮮との開かれた外交を模索し、調整されたアプローチをとる」と述べた。

しかし、北朝鮮は両国の提案に疑問を呈したうえで、「バイデン大統領は韓国のミサイル計画に関する制限を解除し、北朝鮮に敵意を示した」と非難した。

アメリカはインド・太平洋地域の軍拡競争を考慮し、韓国に対し射程800km以上のミサイルを開発することを禁じていた。射程800km未満のミサイルでも北朝鮮全土を攻撃できるが、日本や中国などの主要都市には届かない。

バイデン政権は対北朝鮮政策について、トランプ政権の「直接取引」とオバマ政権の「戦略的忍耐」の中間を採用すると示唆しているが、一部の専門家は、バイデン大統領は北朝鮮が非核化に向けた具体的な措置を約束しないかぎり、現在の厳しい経済制裁を緩和する可能性は低いと述べている。

金正恩は今年1月に開催した労働党大会の中で、経済的自立を達成し困難に立ち向かうよう国民に強く求め、国家統制を強化し、農業生産を押し上げ、核開発を加速させると誓った。

2021年6月4日/北朝鮮、首都平壌で開催された会合、金正恩 党総書記(朝鮮中央通信社/韓国通信社/AP通信)
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