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北朝鮮・金正恩が党幹部らにライフル銃を贈呈、娘も射撃練習

キムは27日、平壌で開催された第9回朝鮮労働党大会を受け、党と軍の主要幹部に「新世代狙撃銃」を「特別な贈り物」として1人一丁ずつ手渡した。
2026年2月28日に北朝鮮メディアが公開した写真、ライフル銃を発射する金正恩 党総書記(KCNA/AP通信)

北朝鮮の金正恩(Kim Jong Un)党総書記が朝鮮労働党大会の終了後、党幹部や軍高官に新型ライフル銃を贈呈した。国営朝鮮中央通信(KCNA)が2月28日に伝えた。

それによると、キムは27日、平壌で開催された第9回朝鮮労働党大会を受け、党と軍の主要幹部に「新世代狙撃銃」を「特別な贈り物」として1人一丁ずつ手渡した。キムはこれを過去5年間の「絶対的な信頼と献身」の象徴だと位置付けたという。

KCNAが公開した写真には、キムの妹である金与正(Kim Yo-jong)朝鮮労働党部長が狙撃銃を受け取り、射撃場でその銃を扱う姿が含まれている。金与正はこの党大会で部長に昇進し、内部運営や行政を担う重職に就いたことが明らかになっていた。

さらに公式写真には、キムの娘であるジュエ(Kim Ju-ae)も狙撃銃を構え、射撃を行っている様子が写っていた。ジュエは焦げ茶色の革コート姿で、キムと同様に射撃場で狙いを定め、銃身から煙が上がる場面も写っている。これを受けて、国内外の専門家や諜報機関の間では、キムが娘を将来の後継者として育成しているとの見方が一段と強まっている。

この写真の公開は、北の政治的メッセージとして国内外に発信された意味合いを持つ可能性がある。ジュエは2022年11月の長距離ミサイル発射時に初めて公の場に姿を見せて以来、軍事演習や視察、昨年9月の中国・習近平(Xi Jinping)国家主席との首脳会談参加など、多くの重要イベントで父と共に登場している。こうした一連の露出は、キムの権力基盤強化と、政権の継承シナリオに関する国内外の観測を刺激している。

一方、ジュエは党大会で正式なポストを与えられたわけではなく、党規則に基づき党員として認められるには18歳以上である必要があるため、公式な政治的地位はまだ持っていない。しかし専門家らは、彼女の積極的な公的露出は北の指導層内で行われている「慎重な後継者準備」の段階を示す可能性があると指摘する。

今回の党大会は北にとって5年に一度の重要な政治行事であり、キム体制の今後数年の方針が示される場だ。大会では、キムが核兵器と軍事力の強化を改めて掲げる一方で、米国との対話の可能性に含みを残す姿勢も見せた。大会後に行われたライフル贈呈はキムによる党内結束の強化と、指導層への忠誠誓約の再確認という色合いを帯びている。

北の政治的メッセージとして、贈呈式や娘の公開がどのような意図を持って発信されたかは今後も国際社会の関心を集め続けるだろう。キムの一連の行動は、同国の権威主義的統治と権力継承のダイナミクスを映し出すものと評価されている。

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