◎北朝鮮の経済はコロナ危機による対中貿易の低迷、昨年の自然災害、そしてアメリカ主導の経済制裁の影響で荒廃し、深刻な食糧不足が発生すると懸念されていた。
韓国の諜報当局は3日、「北朝鮮の食糧不足は熱波と干ばつの影響で悪化しており、指導部は軍事用の備蓄米を解放している」と述べた。
北朝鮮の経済はコロナ危機による対中貿易の低迷、昨年の自然災害、そしてアメリカ主導の経済制裁の影響で荒廃し、深刻な食糧不足が発生すると懸念されていた。
国家情報局との非公開会合に出席したソウルの河泰慶 議員は地元メディアの取材に対し、「北朝鮮指導部は戦時用に備蓄している米を食料不足に直面している市民、労働者、地方の国家機関に供給している」と述べた。
河泰慶 議員によると、北朝鮮で進行中の熱波と干ばつは米、トウモロコシ、その他の農作物に深刻な影響を与え、食料不足の影響で多くの家畜が死んだという。
非公開会合に参加した別の議員は、「北朝鮮の国民約2,600万人を養うためには少なくとも550万トンの食糧が必要だが、指導部の手元には100万トンほどしかない」と国家情報局の報告書を引用した。「国家情報局は会合の中で、指導部は穀物備蓄を使い果たしていると私たちに説明しました...」
また国家情報局によると、北朝鮮で最も重要な作物のひとつである米の現在の価格は、今年初め頃の約2倍に急騰したという。
韓国のGS&J研究所のクォン・テジン氏は、「指導部は米の価格を安定させるために、市場価格以下で米を解放する可能性が高い」と述べた。
河泰慶 議員はインタビューの中で、「北の指導部は深刻な食糧不足の発生を受け、穀物の価格を管理しようとしている」と語った。
北朝鮮の金正恩 党総書記は今年6月、パンデミックや貿易の低迷などの影響で国の食糧事情は危機的状況にあると認めていた。
中国のデータによると、北朝鮮の対中貿易は昨年、厳格なロックダウンの影響で前年から約80%減少したという。韓国の中央銀行は先週、北朝鮮の2021年国内総生産は前年から4.5%縮小したと推定されると述べた。
GS&J研究所のテジン氏は北朝鮮の現在の食糧不足について、「秋に米、トウモロコシ、その他の作物を収穫するまで続くと思われる」と述べたが、1990年代に発生した飢餓のような事態に陥る可能性は低いと強調した。
一部の専門家は以前、北朝鮮国内で1994年から1998年頃に発生した壊滅的な飢餓に匹敵する食糧危機が発生する可能性があると警告していた。この期間中に餓死または栄養不足に関連する病で亡くなった市民は200万~350万人と伝えられているが、正確な死者数は明らかにされていない。