◎アーダーン首相は共和制への移行を支持している。
ニュージーランドのアーダーン(Jacinda Ardern)首相は12日、チャールズ国王(King Charles III)を支持し、現政権は共和制への移行を考えていないと表明した。
アーダーン氏は声明で、「NZはいずれ共和制になると信じている」と述べている。
アーダーン氏がエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の死後、共和制について発言したのはこれが初めて。同氏は共和制への移行を支持している。
NZの現在の君主は英国王(女王)であり、総督が代理を務めている。ただし、総督の役割は儀礼的なものに過ぎない。
一部の有権者は植民地時代の過去を払拭し、真の独立国家になるためには共和制への移行が必要と主張している。
アーダーン氏はテレビジョン・ニュージーランドのインタビューで、「私は自分が生きている間にその方向に向かう可能性が高いと信じている」と述べた。
またアーダーン氏は、「今すぐ共和制が議題に上がることはない」と強調した。
少なくとも現政権は共和制への移行を議論する予定はないとみられる。
女王の死を受け、多くの英連邦加盟国で共和制議論が再燃している。
チャールズ国王はイギリス、ニュージーランド、カナダ、ジャマイカ、オーストラリアなど、13カ国の国家元首となった。
AUSのアルバニージー(Anthony Albanese)首相は今年5月の就任直後、共和制への移行に向けた土台作りを始めると表明した。しかし、同氏は11日、「今は女王に敬意を表する時であり、共和制への移行を問う国民投票は政権の優先事項ではない」と発言した。
一方、アーダーン氏は「女王が亡くなったから共和制に移行する」という考えを否定した。
女王はNZの紙幣や硬貨に採用されている。同国の中銀はそれは法定通貨であり続けると勧告している。
アーダーン氏は女王の死を記念して9月26日を祝日にすると発表した。首都ウェリントンでは追悼式が行われる予定だ。
またアーダーン氏は、「女王は非凡な人物であり、多くの国民が女王の死を嘆き、その人生を祝う機会を得る」と述べた。
アーダーン氏は女王の国葬に出席するため、今週末イギリスに発つ。