◎共産党高官の辞任は異例。
ベトナムの国営メディアは17日、フック(Nguyen Xuan Phuc)国家主席が辞任したと報じた。
国営ベトナム通信(VNA)によると、共産党中央委員会はフック氏の辞表を受理したという。
VNAは共産党の声明を引用し、「フック氏は辞表を提出し、引退した」と報じている。共産党高官の辞任は異例。
フック氏は複数の閣僚が汚職で解任または逮捕されたことを受け、責任を取らされるのではないかという憶測が広がっていた。
フック氏は1979年に政府機関で働き始め、2006年に国政入り。2011年に党の最高機関である政治局のひとりに選出され、2016年から2021年まで首相を務めたのち、国家主席に選ばれた。
ベトナムの国家主席の権限は限られており、最も強力なポストは総書記である。
VNAはフック氏が首相としてコロナ対策に尽力したと報じ、称えている。
しかし、共産党は副首相2人、閣僚3人を含む部下のスキャンダルを許さなかったようだ。
VNAは副首相2人が辞任し、閣僚を含む多くの高官に対する刑事手続きが開始されたと報じている。このスキャンダルはコロナ対策関連と伝えられているが、詳細は不明だ。
政治局委員、中央委員会の執行委員、安全保障会議の議長も辞任している。
フック氏は首相としてベトナムを率い、世界経済への統合を進め、コロナが大流行するまで高い経済成長率を維持した。
ベトナムは2020年の早い時点で厳しいコロナ対策を実施し、抑え込みに成功。2020年にプラス成長を果たした数少ない国となった。
2021年半ば以降は感染力の強い変異株に悩まされ、感染者が急増。現在はワクチンの展開が進み、死者はほとんど報告されていない。