NZ政府、クック諸島向け予算一部凍結、中国との連携強化受け
クック諸島は今年2月に中国との包括的戦略的パートナーシップ協定に調印した。
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ニュージーランド政府は19日、南太平洋の島国クック諸島が中国と結んだ包括的戦略的パートナーシップ協定の「範囲と内容」を理由に、同国への数百万ドルの資金援助を凍結したと明らかにした。
中国を公式訪問中のラクソン(Christopher Luxon)首相は記者会見で、「クック諸島が中国と結んだパートナーシップは透明性やオープンさを欠いている」と指摘した。
またラクソン氏は、「これらの問題が明確になるまで、クック諸島に対する援助の一部を凍結した」と述べた。
クック諸島は今年2月に中国との包括的戦略的パートナーシップ協定に調印。ブラウン(Mark Brown)首相と李強(Li Qiang)首相は黒竜江省の省都ハルビンで協定に署名した。
クック諸島はNZと米ハワイ島の中間に位置し、独立国家として国際社会と交流することができる。
しかし、予算はNZとの「自由連合協定」に基づいてNZ政府が提供し、さらにクック諸島の住民約1万7000人はNZの市民権を有している。
NZはクック諸島政府が中国の「債務トラップ」に引っかかり、港の権利を明け渡したり、軍の駐中を認めたりするのではないかと懸念していた。
クック諸島のブラウン氏は19日の議会演説で、「資金は凍結ではなく、一時停止された」と述べ、政府の決定を擁護した。
両国はこの協定について、貿易・投資、観光、海洋科学、水産養殖、農業、インフラストラクチャー、気候回復力、災害への備えといった優先分野についての関与の枠組みを確立するものと説明している。
南太平洋では米国と中国の影響力争いが激化している。
中国は22年4月、ソロモン諸島と安全保障協定を締結した。
米国、日本、豪、NZはソロモン諸島に中国の海軍基地が建設される可能性があると懸念を示しているが、中国はこれを否定している。