◎2008年以降に生まれた国民は生涯、タバコやタバコ関連商品を購入できなくなる。
2021年12月9日/ニュージーランド、オークランドの路上、タバコを吸う男性(David Rowland/AP通信)

12月9日、ニュージーランド政府は次世代のためにタバコの販売を段階的に禁止する法律を施行する予定と明らかにした。

アイシャ・ヴァーラル保健相は記者団に対し、「若者が喫煙を始めないようにしたい」と語った。

法律は来年成立する予定。施行されると、2008年以降に生まれた国民は生涯、タバコやタバコ関連商品を購入できなくなる。なお、電子タバコは対象外。

国内の医師や多くの専門家が法律を称賛した。

ダニーデンの国立オタゴ大学のジャネット・フック教授は地元メディアのインタビューの中で、「法律は若者がニコチンに依存する可能性をはるかに低くするだろう」と述べ、政府の方針を歓迎した。

ニュージーランドの喫煙率は年々減少しており、保健当局によると、現在喫煙習慣のある人は成人人口の約11%、毎日喫煙している人は約9%と推定されている。先住民族のマオリ族の喫煙率は約22%と高く、政府はマオリ族の喫煙を減らす専門部会を創設する予定である。また政府は2025年までに喫煙率を5%未満にするという国家目標を掲げている。

政府の健康政策を主導しているアソシエイトヘルス大臣のアイシャ・ヴェラル博士はAP通信の取材に対し、「医師はタバコが引き起こした悲惨な病気に苦しむ患者に毎日会い、治療を施しています」と語った。「喫煙者は息切れしながらタバコを吸っています...」

非喫煙者は政府の発表を歓迎した。

ロイター通信の取材に応じたオークランドの男性は「本当に素晴らしい法律だと思う」と語った。「若い喫煙者をよく目にします...」

しかし、一部の専門家は、厳しい取り締まりは「タバコの闇市場」を生み出す可能性があると警告した。

政府は近年、タバコの税率を大幅に引き上げており、1箱の価格はおおむね2,500円を超えている。

ヴェラル博士は「増税には限界がある」と述べた。「増税で喫煙率をゼロにすることはできないでしょう。そして、増税は低所得者層に負担をかける傾向が見られます...」

保健当局によると、喫煙はガンの主要な原因のひとつで、毎年少なくとも5,000人(人口の約0.1%)がタバコが原因の病気で死亡しているという。

政府は法律の施行に先立ち、タバコを販売するスーパーマーケットや専門店の数を大幅に減らす規制を導入した。政府によると、国内でタバコを取り扱っている約8,000店は規制の導入で500店未満に減少する見込みだという。

一方、若者の間で人気を集めている電子タバコも無害ではないことが近年の研究で明らかになっている。保健当局は電子タバコにも発がん性物質が含まれていると警告している。

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