◎住宅ローン金利は1年前の3%という低水準から5〜6%程度で推移している。
2022年6月30日/ニュージーランド、オークランドの住宅地(Michael Craig/New Zealand Herald)

ニュージーランドの住宅価格が11日、約11年ぶりに前年比で下落し、コロナウイルスの感染拡大で勢いを増した不動産投資ブームに終止符を打った。

ニュージーランド不動産協会(REINZ)によると、7月の全国住宅価格は前年同月比で1.8%下落。都市部の落ち込み幅はより顕著で、最大都市オークランドは5.6%、首都ウェリントンでは5.9%下落した。

販売数も3分の1以上減少した。昨年11月のピーク時のNZL不動産市場は世界で最も活況を呈していた。

中央銀行はコロナの大流行を受け、金利を過去最低水準まで引き下げ、景気を下支えした。さらに政府と中銀は経済浮揚のために市場に資金を投入し、不動産市場を活気づかせたのである。

REINZによると、全国の住宅平均価格は81万NZドル(約7000万円)にとどまっており、持ち家を夢見る若者には到底手の届かないレベルを維持した。オークランドの価格は110万NZドル(約9400万円)。

失業率は3.3%と過去最低水準にとどまっているが、経済成長は止まり、インフレ率は7.3%に上昇した。

住宅ローン金利は1年前の3%という低水準から5〜6%程度で推移している。

テレビジョン・ニュージーランドはコンサル会社の主席エコノミストの話を引用し、「金利は住宅価格を押し下げ、インフレを押し下げ、景気も押し下げる可能性がある」と報じた。

また主席エコノミストは、「金利が上昇したため、1年前と同じように融資を受けられない人々が増えている」と指摘した。「当然のことながら、銀行は慎重になっています...」

専門家によると、住宅価格の下落は今年いっぱいは続くと予想されているが、急に加速するような兆候は今のところ見られず、暴落はありそうにないという。

あるNZLツイッターユーザーは、「ジェットコースターは坂を下り始めたが、まだかなり高い位置にあり、下り坂は恐らく緩やかだ」と投稿している。

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