ニュージーランド総選挙2020について
2020年ニュージーランド総選挙結果
開票率(100%)
党名 党首 | 2020投票数 議席(120) | 2017 議席 |
国民党 ジュディス・コリンズ | 638,393票 35 | 56 |
労働党 ジャシンダ・アーダーン | 1,169,397票 64 | 46 |
緑の党 ジェームス・ショー マラマ・デビッドソン | 180,224票 10 | 8 |
ACTニュージーランド デビッド・シーモア | 190,106票 10 | 1 |
NZファースト ウィンストン・ピータース | 63,447票 0 | 9 |
マオリ党 ジョン・タミヘレ デビーン・ガレワ・パッカー | 23,938票 1 | 0 |
【開票後】
・第一党は労働党。
・労働党が史上初の単独過半数を獲得。
【開票前】
・ジャシンダ・アーダーン首相の所属するニュージーランド労働党(議席数46/120)は第2党。
・与党は国民党(議席数56/120)。しかし、前回総選挙で過半数を獲得することはできず、連立政権を樹立。9年ぶりに労働党出身の首相が誕生した。
・世論調査では労働党有利。
・首相は単独過半数を目指している。
・有権者の約半分、170万人が事前投票を行った。
・国民投票、「マリファナの合法化」と「安楽死の許可」の結果は10月30日発表。
第一党は労働党
ジャシンダ・アーダーン首相が2期目を目指す総選挙は現地時間10月17日9:00に開始、19:00に終了した。
10月3日から始まった期日前投票では有権者の約半分、170万人が投票を終えていた。
また、総選挙と共に行われたふたつの国民投票、「マリファナの合法化」と「安楽死の許可」の結果については、10月30日に発表される。
労働党が史上初の単独過半数を獲得
開票作業は10月17日晩に完了、アーダーン首相の労働党が有効票の約49%を獲得、史上初の単独過半数を達成した。
なお、中道右派の与党国民党は約27%、緑の党は約8%だった。
オークランド大学のジェニファー・カーティン教授はBBCニュースの取材に対し、「過去にひとりのリーダー(党)が単独過半数を獲得したことはない」と述べた。
ジェニファー・カーティン教授:
「ジョン・キーが国民党の当主だった頃、世論調査の予想は単独過半数だった。しかし、うまくいかなかった」
「ニュージーランドの有権者は、投票を分割する戦術に長けている。有権者の約30%自分の支持政党より小さな党に投票する。つまり、労働党が50%以上を獲得することは非常に難しいと思う」
アナリストのジョシュ・ヴァン・ヴィーン氏は、「最も可能性の高いシナリオ」を「緑の党との連立政権による過半数の獲得」と予想した。
ジョシュ・ヴァン・ヴィーン氏:
「彼女はコロナウイルスの対処に成功し、支持率を上げた。それがなければ、有権者は拒絶しただろう」
「首相はいくつかの社会福祉目標を達成できないと認識していた。彼女は子供の貧困を終わらせ、先住民などの住宅危機を終わらせようとしたが、どちらもうまくいかなかった」
公約
アーダーン首相は、地球環境に優しい政策を浸透させ、恵まれない学校への資金を増やし、最高所得の2%の所得税を引き上げると約束した。
一方、首相に引導を渡したいと考えているのが、「クラッシャー」と呼ばれる国民党のリーダー、ジュディス・コリンズ議員である。
61歳の元弁護士は、インフラへの投資を増やし、借金を返済し、一時的に税金を減らすと公約を掲げ、今回の戦いに臨んだ。
アナリストのジョシュ・ヴァン・ヴィーン氏は国民党と労働党の違いについて、次のように述べた。
ジョシュ・ヴァン・ヴィーン氏:
「アーダーン首相の新設で共感的なリーダーシップは、人々を安心させる。一方、コリンズ議員は何かを提供する。残念ながら首相がひいきされ、再びコントロールされたいと思う人の票を集める」
国民投票:「マリファナの合法化」と「安楽死の許可」
アーダーン首相は安楽死への支持を表明したが、レクリエーション大麻についてはコメントしていない。
ふたつの国民投票は、賛成が50%を超えれば可決される。
マリファナ(大麻)の合法化と管理が賛成多数で可決されれば、まず、「合法化する法案を議会に提出」しなければならない。これは次の政権の仕事になる。
安楽死の許可については、「可決された時点で法として制定される」。
国民投票の結果は、選挙管理委員会が10月30日に発表する。