12月2日、ニュージーランド政府は気候非常事態を宣言するための一歩を踏み出した。
与党の提出した動議は賛成76、反対43票で承認された。
政府はまた、2025年までに多くの公的機関に電気自動車を導入することでカーボンニュートラルを達成すると宣言した。
ジャシンダ・アーダーン首相は、「気候変動に対処しなければ、非常事態を宣言する規模の自然災害に直面するだろう」と警告した。
「宣言は次世代が直面する負担を軽減させる。この問題に取り組まなければ、彼らは私たちが残した負債を背負うことになる」
宣言に法的拘束力はなく、あくまで象徴的な扱いになっている。ただし、アーダーン首相と他の与党議員は、継続的な行動で宣言を支持すると約束した。
これまでに気候非常事態を宣言した国はイギリス、ポルトガル、カナダ、日本など。日本政府は2020年11月20日の参議院本会議で可決している。
野党の気候変動担当、スチュアート・スミス氏は宣言について、「中身がなく、ただのスローガン」と述べた。
反対に回ったデビッド・シーモア議員も、「皆でスローガンを採択した。与党の素晴らしい業績のひとつだ」と批判した。
アーダーン首相は以前、国内に樹木を10億本植え、海洋石油とガスの探査を段階的に廃止し、2030年までに電力網を100%再生可能エネルギーにする計画を発表している。
また、昨年には2050年までにカーボンニュートラルを達成する気候変動対応(ゼロカーボン)改正法を可決した。
NZ政府の気候変動対策(抜粋)
・気候変動対策の世界的リーダーになる。
・2050年までにカーボンニュートラルを達成する。
・独立した気候変動委員会を2019年12月に設立。2050年の目標と計画の進捗状況などを監視する。
・農業の温室効果ガスを削減する研究開発への投資。(農業の温室効果ガス排出量は、NZの総排出量のほぼ半分を占める)
・林業による排出量の相殺。(樹木を10億本植える)