▽軍政はこの1年間、中国国境沿いで反体制派ゲリラの攻勢に圧倒され、困難に直面している。
ミャンマーの軍事政権が1月4日の独立記念日に合わせて6000人以上の受刑者を釈放した。
地元の独立系メディアによると、その中に21年2月の政変で拘束されたアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏ら当時の政府高官は含まれていなかった。
軍政は恩赦した人々の身元を明らかにしておらず、一連の抗議デモで逮捕された活動家や市民が含まれているかどうかは分からない。
ミャンマー国営放送(MRTV)は4日、フライン(Min Aung Hlaing)総司令官が刑務所に収監されているミャンマー人5864人と外国人180人に恩赦を与えたと報じた。
AP通信は情報筋の話しとして、「外国人の中には昨年11月下旬にアンダマン海の国境付近の海域で巡視船に拘束されたタイ人漁師4人が含まれている」と報じた。
タイのペートンタン(Paetongtarn Shinawatra)首相は4人が独立記念日に釈放されることを期待していると述べていた。
MRTVは「釈放された者が再び法に違反した場合、新たな刑期に加えて元の刑期の残りも服役しなければならない」と警告している。
またフライン氏は終身刑が確定している144人の刑期を15年に減刑したとしている。この144人がどのような罪に問われたかは明らかになっていない。
軍政はこの1年間、中国国境沿いで反体制派ゲリラの攻勢に圧倒され、困難に直面している。
北東部シャン州を支配する「MNDAA(ミャンマー民族民主同盟軍)」とタアン民族解放軍(TNLA)、アラカン軍、東部カレン州の少数民族ゲリラ「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は23年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。
これらの反体制派は民主派政治組織「挙国一致政府(NUG)」や人民防衛軍(PDF)と連携し、国土の半分以上を掌握。軍政に圧力をかけている。