◎軍政は2021年2月にアウンサンスーチー氏を追放して以来、最大の試練に直面している。
ミャンマーの民主派政治組織「挙国一致政府(NUG)」は4日、傘下の武装民兵が首都ネピドーの空港と軍司令部にドローン攻撃を仕掛けたと発表した。
軍政もネピドーにドローンが飛来したことを認めている。
NUGは3年前のクーデターで追放された野党議員などで構成される抵抗勢力のひとつである。
NUGは声明で、「人民防衛軍の特殊部隊がネピドーの空港と軍司令部にドローンを送り、同時攻撃を行った」と明らかにした。
ミャンマー国営放送(MRTV)は4日夕方のニュースで13機のドローンがネピドーに飛来したものの、11機が墜落、残り2機は防空部隊によって撃墜されたと報じた。
それによると、被害は確認されておらず、治安部隊がドローンを回収・調査しているという。
ソーシャルメディアには軍政の防空システムを疑問視する投稿が多数寄せられている。
NUGはこのドローン攻撃で死傷者が出たと主張しているが、軍政は被害ゼロと報告している。
MRTVは墜落したとされるドローンの写真も公開している。翼幅は1メートル超、木製の固定翼とされるが、詳細は不明だ。
軍政は2021年2月にアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏を追放して以来、最大の試練に直面している。
ラカイン族の武装集団「アラカン軍」やチン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は昨年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。
民主派勢力の支配地域は拡大し続け、中国国境沿いの北東部の広い範囲を占領。投降した一部の兵士を取り込むことに成功した。