ミャンマー反体制派TNLA、軍政と停戦で合意、中国が仲介
軍政は12月28日から始まる予定の総選挙に向け、失った領土を奪還すべく、攻勢を強めている。
の兵士(Getty-Images).jpg)
ミャンマー・シャン州の一部地域を支配するタアン民族解放軍(TNLA)が29日、中国仲介の協議を経て、軍事政権と停戦合意を結んだと発表した。
これにより、中国国境に近いミャンマー北東部地域で数か月間続いた激しい戦闘が緩和される見通しだ。
軍政は12月28日から始まる予定の総選挙に向け、失った領土を奪還すべく、攻勢を強めている。
軍政は多方面から攻撃を受け、国土の半分以上を失った。
シャン州を支配する「ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)」とTNLA、「アラカン軍」、カレン州の「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は23年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。
これらの反体制派は政治組織「挙国一致政府(NUG)」や「人民防衛軍(PDF)」と連携し、国土の半分以上を掌握。軍政に圧力をかけてきた。
ミャンマー国営放送(MRTV)によると、双方は中国が仲介した27日と28日の交渉で停戦に合意、文書に署名したという。
交渉はミャンマー国境から約400キロ離れた中国・昆明で行われた。
中国はミャンマー国境沿いの不安定化に懸念を表明し、双方に武器を置くよう促してきた。
一方、選挙管理委員会は内戦のため、330の選挙区すべてで投票を実施することはできないと発表。第1段階で102の選挙区、第2段階では100の選挙区で投票を行うとしている。
57の政党が選挙登録を済ませたが、過去2回の選挙で圧勝しながらも軍に追放されたアウンサンスーチー(Min Aung Hlaing)氏の与党・国民民主連盟(NLD)は参加できない。
選管は2年前、NLDを含む「反乱分子」に解散を命じた。
地元の独立系メディアはTNLAとつながりのある組織の幹部の話しとして、「この地域に入った国軍兵士は昼夜を問わず、民兵の奇襲に怯え、おちおち寝ることもできないだろう」と伝えている。
