ミャンマー軍の戦闘機墜落、民主派勢力は撃墜主張 ザガイン管区

軍事政権は多方面から攻撃を受け、追い詰められている。
ミャンマー、北西部ザガイン管区、民主派勢力の兵士(Getty Images)

ミャンマー北西部ザガイン管区で軍の戦闘機が墜落した。ミャンマー国営放送(MRTV)が10日に報じた。

民主派勢力はこれを撃墜したと主張している。

MRTVは軍当局者の話しとして、戦闘機は10日の正午頃、機械的なトラブルにより、第2の都市マンダレーの西方約140キロメートル地点に墜落したと報じた。

MRTVは戦闘機の種類と死傷者に言及せず、軍がザガイン管区の墜落現場に向かい、捜索・回収作業に当たっているとした。

地元の独立系メディアは墜落した戦闘機を中国製のJL-9と特定。機体の残骸と遺体の写真を公開した。

軍事政権は多方面から攻撃を受け、追い詰められている。

シャン州を支配する「ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)」と「タアン民族解放軍(TNLA)」、「アラカン軍」、カレン州の少数民族ゲリラ「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は23年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。

これらの反体制派は民主派政治組織「挙国一致政府(NUG)」や人民防衛軍(PDF)と連携し、国土の半分以上を掌握。軍政に圧力をかけている。

サガイン管区には抵抗勢力の拠点があり、軍は過去数カ月間、何度も空爆や地上攻撃を仕掛けてきた。

PDFと連携するザガイン管区の民兵組織PLAの報道官は10日、AP通信の取材に対し、「我々の戦闘員が10日の12時30分頃、軍の戦闘機を撃墜した」と語った。

また報道官は「過去1週間、軍はPLAや他の抵抗勢力と戦う地上部隊を支援するため、ザガイン管区に数百発の爆弾を投下した」と述べた。

同国中部を襲ったマグニチュード7.7の大地震から2ヶ月が経ち、被災地ではゆっくり復興が進みつつあるものの、未だに数百万人が避難所やテント、路上での避難生活を余儀なくされている。

この地震は3月28日に発生。軍政によると、マンダレーや首都ネピドーなどで3700人以上が死亡、5000人以上が負傷し、数百人が行方不明になっている。

地元の独立系メディアは6月1日時点で死者数を5400人超、行方不明者を1万1100人超、行方不明者を579人と報告している。

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