◎反体制派は国の大部分を掌握。軍政に圧力をかけている。
ミャンマーの軍事政権が敵対勢力に武器を置き、停戦に向けた対話に応じるよう促した。ミャンマー国営放送(MRTV)が26日に報じた。
それによると、軍政の評議会は民主派政治組織「挙国一致政府(NUG)」や「人民防衛軍(PDF)」を含む反体制派やゲリラに対し、武器を置き、対話に応じるよう求めたという。
北東部シャン州の大部分を支配した「MNDAA(ミャンマー民族民主同盟軍)」、西部ラカイン州の「アラカン軍」、東部カレン州の少数民族ゲリラ「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は昨年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。
これらの反体制派はNUGおよびPDFと連携し、国の大部分を掌握。軍政に圧力をかけている。
MRTVは評議会の声明を引用。「国家と戦っている民兵組織とテロリストは政党政治または選挙プロセスを通じて政治問題を解決するために国家と連絡を取り、テロリストのやり方を捨てることによって平和と発展を得ることができる」と主張した。
NUGは26日、この申し出を一蹴した。
ロイター通信はNUG当局者の話しとして、「検討に値しない申し出である」と伝えている。
NUGは軍が抗議デモを武力で抑え込んだ後、PDFを設立した。
ミャンマーの人権団体「政治犯支援協会(AAPP)」によると、21年2月のクーデター以来、治安部隊は少なくとも市民5706人を殺害し、2万1000人近くを拘束したという。
国連は先月、軍による「人道に対する罪」と「戦争犯罪」が憂慮すべき速度でエスカレートしていると懸念を表明した。
軍政を率いるフライン(Min Aung Hlaing)総司令官は当初、23年8月に選挙を実施すると約束していたが、何度も延期。来年中に実施できるかどうかは不透明な情勢だ。