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ミャンマー軍、シャン州の主要都市を奪還か、戦闘激化

地元の独立系メディアは国軍がタアン民族解放軍(TNLA)などの猛攻を受け、撤退を余儀なくされたと伝えている。
ミャンマー、民主派勢力側の戦闘員(Getty Images/AFP通信)

ミャンマー国営放送(MRTV)は2日、国軍が東部シャン州の主要地区の支配権を取り戻したと報じた。

それによると、軍は第2の都市マンダレーの北東約115キロに位置するチャウメを民主派勢力から奪還したという。

しかし、地元の独立系メディアは国軍がタアン民族解放軍(TNLA)などの猛攻を受け、撤退を余儀なくされたと伝えている。

この地域への立ち入りは禁じられており、現地で何が起きているか確認する術はない。

軍政は年末から始まると予想される総選挙に先立ち、抵抗勢力が支配する地域を奪還するため、ここ数カ月で地上作戦と空爆を強化している。

チャウメは昨年8月以来、TNLAの支配下にあったとされる。

TNLAは軍政の主張に関するコメントを出していないが、テレグラムへの投稿で、軍が空爆と重火器でチャウメを攻撃し、政府庁舎に放火し、近隣の村々で激しい戦闘を引き起こしたと非難した。

軍政は現在、多方面から攻撃を受け、追い詰められている。

シャン州を支配する「ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)」とTNLA」、「アラカン軍」、カレン州の「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は23年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。

これらの反体制派は政治組織「挙国一致政府(NUG)」や「人民防衛軍(PDF)」と連携し、国土の半分以上を掌握。軍政に圧力をかけている。

軍政は12月28日から総選挙を開始すると主張しているが、国土の半分以上を反体制派に占領された状態で行えるかは不明である。

主要な反体制派は選挙を妨害すると公言し、有権者に投票に行かないよう呼びかけている。

オンラインメディアのミャンマー・ナウは2日、チャウメの戦況について、市郊外で戦闘が続いているものの、軍は町を掌握できておらず、部隊の一部は撤退を余儀なくされていると報じた。

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