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ミャンマー軍が「KKパーク」急襲、2000人以上を拘束=国営メディア

内戦下のミャンマーにはオンラインの詐欺拠点が点在。その多くが反体制派の支配地域にあるとされる。
2025年3月11日/タイとミャンマーの国境沿い(Getty Images)

ミャンマー国軍がタイ国境付近にあるオンライン詐欺拠点を摘発し、2000人以上を拘束した。ミャンマー国営放送(MRTV)が20日に報じた。

それによると、国軍は東部国境の巨大詐欺拠点「KKパーク」を急襲し、パソコンや衛星インターネット端末などを押収したという。

MRTVは数十台のスターリンク衛星インターネット端末も押収されたと報じている。

内戦下のミャンマーにはオンラインの詐欺拠点が点在。その多くが反体制派の支配地域にあるとされる。

米国とイギリスは先週、カンボジアの大規模サイバー詐欺組織の運営者らに制裁を発動。その首謀者とされる人物はニューヨーク州の連邦裁判所で起訴された。

MRTVによると、軍政は9月初旬からオンライン詐欺、違法賭博、越境サイバー犯罪の取り締まり作戦を開始。その一環として、悪名高いKKパークを急襲したという。

MRTVが報じた写真には電子機器を押収する兵士たちの姿が写っていた。いつ撮影されたかは分かっていない。

KKパークはタイ国境近くのカレン州ミャワディに位置する巨大な詐欺拠点である。

ここではオンライン投資詐欺、ロマンス詐欺、仮想通貨詐欺などが大規模かつ組織的に行われており、「詐欺工場」とも呼ばれている。

運営には中国系犯罪組織や武装勢力が関与しているとされ、数千人規模の労働者が働かされているとみられる。

多くの外国人が「高収入の仕事」として偽の求人で誘い出され、パスポートを没収されたうえで監禁・強制労働を強いられている。

日本人を含む多数の国籍の人々が被害に遭っており、国際的な人身売買・詐欺の温床となっている。

2025年には国軍や国境警備隊による摘発が進み、数千人が保護されたが、施設の摘発や関係者の処罰は依然として不十分であり、問題の根は深い。

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