◎21年2月のクーデター以来、治安部隊は5700人以上の市民を殺害し、2万1000人近くを拘束した。
2024年10月15日/ミャンマー軍政のフライン総司令官(MRTV)

ミャンマー軍事政権のフライン(Min Aung Hlaing)総司令官が15日、全国各地で活動する強力な反体制派に武器を置き、和平交渉に参加するよう呼びかけた。

フライン氏はミャンマー国営放送(MRTV)が放送したテレビ演説で、「政府は和平のための既存の停戦協定の枠組みにのみ従う」と述べ、反乱軍に対話を通じて内戦を終結させるよう促した。

またフライン氏は「自分たちの願いを武力で要求するのではなく、対話で要求すべきだ」と述べた。

全国に21ある武装組織の約半数が軍政が示した協定に合意したが、その一部はすでにそれを反古にしている。

軍政の評議会は先月末、反体制派を率いる民主派政治組織「挙国一致政府(NUG)」や人民防衛軍(PDF)などに対し、武器を置き、対話に応じるよう求めていた。

NUGは軍政の和平提案を一蹴。「武器を置いて投降するのはお前らだ」と断じた。

軍政がこのような提案をしたのは21年2月のクーデターで政権を掌握して以来初めて。中国が仲介した北東部シャン州の停戦協議もすでに決裂している。

シャン州の大部分を支配した「MNDAA(ミャンマー民族民主同盟軍)」、西部ラカイン州の「アラカン軍」、東部カレン州の少数民族ゲリラ「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は昨年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した

これらの反体制派はNUGおよびPDFと連携し、国土の半分以上を掌握。軍政に圧力をかけている。

軍政はNUGに対し、来年予定している国政選挙に参加するよう要請。NUGはこれを拒否し、「市民を虐殺した軍政に選挙を実施する権限はない」と断じた。

人権団体「政治犯支援協会(AAPP)」によると、21年2月のクーデター以来、治安部隊は5700人以上の市民を殺害し、2万1000人近くを拘束したという。

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