◎軍政は2021年2月にアウンサンスーチー政権を追放して以来、最大の危機に直面している。
ミャンマー北部シャン州、民主派勢力の兵士(ロイター通信)

ミャンマー軍政は11日、中国の仲介で民主派勢力と停戦に向けた協議を行っていると明らかにした。

ラカイン族の武装集団「アラカン軍」やチン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は10月末、中国国境に近いシャン州北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出したとされる。

この攻勢は他の民主派勢力やゲリラ部隊を鼓舞し、全国規模の戦闘に発展。国軍は複数の地域に要員を派遣しなければならなくなり、兵力不足が露呈した。

軍政は2021年2月にアウンサンスーチー政権を追放して以来、最大の危機に直面している。

戦闘の多くは中国国境沿いで報告されており、両国の貿易を妨げ、中国の懸念を高めている。

国連の専門家はミャンマーの現状を「内戦状態」と評価。シャン州を含む国境沿いの戦闘激化は同国の混乱に拍車をかける可能性が高い。

中国はミャンマーの最大の貿易相手国であり、軍政と良好な関係を保っている。

一方、一部の民主派勢力も中国と良好な関係にあり、その地域に対する中国の支援プロジェクトは重要な外貨獲得源になっている。

軍政の報道官はミャンマー国営放送(MRTV)の取材に対し、「政府とゲリラ勢力による対話は中国の仲介のもと、政治的解決を見出すために行われた」と明らかにした。

また報道官は「今月末頃にさらなる協議が行われる予定である」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。

これに先立ち、中国外務省の毛寧(Mao Ning)報道官は11日の記者会見で、「中国は全当事者間の和平交渉の前向きな結果を歓迎し、引き続き支援していく」と語った。

また毛寧氏は「中国はミャンマー北部の情勢緩和がすべての当事者の利益に合致し、中国・ミャンマー国境の平和と安定の維持に役立つと信じている」と述べた。

民主派勢力は先月末、シャン州の要衝の町を占領したとみられる。この町は中国国境沿いに位置し、交易の中心地になっているようだ。

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