◎軍政は現在、最大の試練に直面している。
2021年3月27日/ミャンマー、首都ネピドー、「国軍記念日」を祝う軍事パレード、フライン司令官(AP通信)

ミャンマー軍政が来月、国勢調査を実施する。

フライン(Min Aung Hlaing)総司令官は1日、来年予定されている総選挙のために有権者リストを作成し、人口と社会経済の動向を分析すると発表した。

軍政は現在、最大の試練に直面している。

北東部シャン州で攻勢を強める「MNDAA(ミャンマー民族民主同盟軍)」、西部ラカイン州の「アラカン軍」、東部カレン州の少数民族ゲリラ「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は昨年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。

民主派勢力の支配地域は拡大し続け、中国国境沿いの北東部の広い範囲を占領。投降した一部の兵士を取り込むことに成功した。

戦闘が続いている地域や民主派勢力が支配する地域で国勢調査を行えるかどうかは不明だ。

民主派政治組織「挙国一致政府(NUG)」は2日、国勢調査がゲリラ兵に影響を与える可能性があるとして、国民に対し、質問には慎重に答えるよう促した。

一方、フライン氏はこの国勢調査が総選挙の足掛かりになると主張。有権者リストの作成に欠かせないと述べたが、投票日には言及しなかった。

同氏は以前、来年中に選挙を実施すると約束していた。

フライン氏によると、国勢調査で集まったデータは現在および将来の開発プロジェクトにも活用されるという。

調査期間は10月1~15日の予定。フライン氏は「対象者は不安や疑念を抱くことなく、すべての質問に答える必要がある」と述べた。

軍政は2021年2月にアウンサンスーチー政権を追放して以来、公正な選挙が目標であると繰り返し主張してきた。当初は23年8月に選挙を実施すると約束していたが、何度も延期している。

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