▽軍政は1月末に非常事態宣言を6カ月間延長。年内に総選挙を行うと主張してきたが、国土の半分以上を反体制派に占領された状態で選挙を行えるかは不明である。
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ミャンマーの軍事政権を率いるフライン(Min Aung Hlaing)総司令官は27日、今年12月に自由で公正な選挙を実施すると誓い、反体制派に武器を置き、協議に応じるよう求めた。
フライン氏は首都ネピドーの広場で演説し、「軍は威厳のある選挙を目指しており、勝利した政党に権力を移譲する用意がある」と主張した。
またフライン氏は「自由で公正な複数政党による投票を支持しなければならない」と強調。反体制派に対し、武器を置き、恒久的な停戦に向けた協議を開始するよう促した。
「選挙に必要な準備は始まっている。自由で公正な、複数政党による民主的な選挙だ。我々は勝利した政党に権力を移譲する用意がある...」
軍政は1月末に非常事態宣言を6カ月間延長。年内に総選挙を行うと主張してきたが、国土の半分以上を反体制派に占領された状態で選挙を行えるかは不明である。
軍政は多方面から攻撃を受け、追い詰められている。
シャン州を支配する「ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)」と「タアン民族解放軍(TNLA)」、アラカン軍、東部カレン州の少数民族ゲリラ「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は23年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。
これらの反体制派は民主派政治組織「挙国一致政府(NUG)」や人民防衛軍(PDF)と連携し、国土の半分以上を掌握。軍政に圧力をかけている。
地元の独立系メディアによると、一部のゲリラは政府が選挙を強行すれば、投票所を襲撃すると警告しているという。
多くの人権団体も選挙に疑問を投げかけ、「軍政は見せかけの選挙で権力を維持するつもりだ」と非難している。
フライン氏は今月初め、総選挙を今年12月か26年1月に実施すると表明していた。
軍政は昨年10月、有権者リストを作成するためと称して国勢調査を試みたが、330の町村のうち145のデータしか集めることができなかった。それによると、53の政党が選挙に参加することを約束したという。
軍指導部は21年2月、前年の選挙で圧勝した国民民主連盟(NLD)のアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏やウィン・ミン(Win Myint)大統領らを拘束した。