◎軍政は自分たちに都合の悪い情報やニュースを発信したジャーナリストを逮捕し、中国のようにメディア統制を図ろうとしている。
ミャンマーの軍事法廷がオンラインメディア「ミャンマー・ナウ」の男性ジャーナリストに禁固20年の実刑判決を言い渡した。現地メディアが6日に報じた。
それによると、この男性は今年5月に発生したハリケーン・モカの被害状況をニュースサイトで報じた後、逮捕されたという。
今回の判決は2021年2月の軍事クーデター以降、独立系メディアのジャーナリストに下された判決としては最も厳しいものとなった。
パリに本部を置く国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」は今年4月、ミャンマーの報道の自由について、世界で最も悲惨な状態にあると発表した。ミャンマーの報道の自由度指数は180カ国中176位。
ミャンマー・ナウによると、男性の審理は最大都市ヤンゴンのインセイン刑務所内で行われ、弁護士は同席を許されなかったという。
男性は5月23日、西部ラカイン州のサイクロン被災地で現場の状況を撮影していたところ、逮捕された。
サイクロン・モカは男性が逮捕される1週間前に上陸し、広い範囲で洪水と停電を引き起こした。
ラカイン州では少なくとも148人が死亡したとされ、その多くがイスラム教少数民族のロヒンギャであった。
西側のメディアはこの逮捕について、「軍政は自分たちに都合の悪い情報やニュースを発信したジャーナリストを逮捕し、中国のようにメディア統制を図ろうとしている」と指摘している。
ミャンマー・ナウは男性の裁判について、「どの報道で逮捕されたか分からず、ヤンゴンの司法当局はこの裁判に関する問い合わせを無視している」と伝えた。