◎ミャワディに駐留していた軍政の兵士数百人は降伏するか、KNUに寝返った。
ミャンマー東部カレン州の少数民族ゲリラであるカレン民族同盟(KNU)が8日、タイ国境近くの要衝ミャワディを近く完全制圧すると表明した。
それによると、ミャワディに駐留していた軍政の兵士数百人は降伏するか、KNUに寝返ったという。
KNUはミャワディの軍司令部を支配下に置き、降伏した兵士を拘束したとされる。
ミャワディはミャンマー・タイ間の陸路貿易の大半が通過する最重要交易拠点のひとつである。
ラカイン族の武装集団「アラカン軍」やチン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は昨年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。
民主派勢力の支配地域は拡大し続け、中国国境沿いの北東部の広い範囲を占領。投降した一部の兵士を取り込むことに成功した。
軍政はこの数週間、KNUを含むカレン族の攻撃に悩まされていた。
シャン州やラカイン州でも多くの兵士が投降したり、民主派勢力に寝返っている。
フライン(Min Aung Hlaing)司令官は国境沿いで劣勢に立たされていることを認め、最近、徴兵制を導入した。
AP通信の取材に応じたミャワディの住民は、「7日午後から爆発音や銃声が全く聞こえなくなった」と語った。
それによると、市内の企業や小売店は営業を続けているという。一部の住民は陸路でタイに避難したとされる。
別の住民はAPに「市内で治安部隊の兵士を見なくなった」と語った。
カレン州は最大都市ヤンゴンに比較的近く、タイ国境に続く主要ルートがあるため、軍政の弾圧から逃れた多くの市民が集まり、抵抗勢力を結成。KNUを含む多くのゲリラがこの活動を支援したり、戦闘訓練を提供している。