◎地方都市では軍に対するゲリラ作戦が続いているとみられる。
ミャンマーの軍事政権は7日、30年以上ぶりに死刑を執行すると示唆したことに対する西側諸国の懸念を一蹴した。
首都ネピドーの裁判所は先週、ベテランの民主活動家ミンユ(Kyaw Min Yu)氏と国民民主連盟(NLD)の議員であるゼヤトー(Phyo Zeyar Thaw)氏の上訴を棄却し、2人の死刑判決が確定した。
2人は爆発物の取り扱い、爆撃への関与、テロ資金供与などで起訴され、今年1月に死刑を言い渡されていた。
国連、米国、フランスは先週、軍事政権を非難し、この裁判は軍の秘密裁判所で行われたと指摘した。
外務省は7日の声明で西側の懸念を一蹴し、「無責任で無謀な声明と発言に強く抗議する」とした。
また同外務省はフランス政府に「非合法な軍事政権」と呼ばれたことに強く反発し、この発言は二国間の関係に深刻な影響を与える可能性があると述べた。
人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)によると、2021年2月の軍事クーデター以来、死刑を宣告された活動家や政治家は110人を超え、そのうち41人が一度も裁判に出廷することなく死刑を言い渡されたという。
HRWは7日、「2人の上訴棄却と死刑執行示唆で、ミャンマーの軍事裁判所が基本的人権を無視し、軍の思うがままに判決を下していることが明らかになった」と非難した。
地方都市では軍に対するゲリラ作戦が続いているとみられる。野党議員らが創設した国家統一政府(NGU)の一部メンバーは独自の民兵組織を立ち上げたと伝えられている。
軍の取り締まりを監視している政治犯支援協会(AAPP)によると、クーデター以降の弾圧で軍に殺された市民は1900人を超え、1万1000人近くが刑務所に収監されたままである。
外務省は声明の中で、「すべての被告が法の下で平等に扱われ、国の司法制度は独立している」と主張した。
アムネスティ・インターナショナルによると、ミャンマーで最後に死刑が執行されたのは1988年。
東南アジア諸国の議員らはASEAN(東南アジア諸国連合)と国際社会に死刑執行を阻止するよう呼びかけている。