◎対象は自らを国の正当な統治機関とみなす国民統一政府のメンバー8人と、著名な民主活動家3人。
3月5日、ミャンマーの軍事政権は軍に抵抗する野党指導者の市民権を剥奪すると発表した。
国営のミャンマーラジオテレビ局(MRTV)によると、軍事政権に反対する野党指導者11人は国外などに逃亡し国益を損ねたして市民権を抹消されたという。
対象は自らを国の正当な統治機関とみなす国民統一政府のメンバー8人と、著名な民主活動家3人。
国民統一政府は昨年2月の軍事クーデターで追放された国民民主連盟(NLD)の議員などで構成されている。
市民権を剥奪された国民統一政府のメンバー2人がツイッターに声明を投稿し、軍事政権を非難した。
ミャンマーへの支援を求めて欧州を回っている人権相のアウン・ミオ・ミン氏は、「テロリスト政府の発表は単なるジョークに過ぎず、私たちのミャンマーへの愛を止めることはできない」とツイートした。
同じく欧州で支援活動を行っているジン・マー・アウン外相は、「政府のふりをしたテロリストに市民権を剥奪されても、ミャンマーへの愛は変わらない」とツイートした。「そもそもテロリストは市民権を剥奪する権利を持っていません...」
今回、軍に名指しされた11人は死刑になる可能性のある大逆罪やその他の容疑で告発されている。
市民権抹消は1982年に制定されたミャンマー市民権法に基づいて発令され、「抹消された個人は特定され、起訴される」と書かれている。
国民統一政府の指導者の多くは少数民族の武装勢力が支配する国境地帯に潜伏していると考えられており、一部は海外で活動している。