◎首都ネピドーの評議会はこの人事を全会一致で承認した。
ミャンマー軍政のフライン(Min Aung Hlaing)司令官が健康上の問題で職務を遂行できなくなったミン・スエ(Myint Swe)大統領の後任として、代行の地位に就いた。ミャンマー国営放送(MRTV)が22日に報じた。
それによると、首都ネピドーの評議会はこの人事を全会一致で承認したという。
軍の支配下にある評議会は来週、非常事態宣言を再び半年間延長する予定だ。
MRTVによると、フライン氏は22日、大統領府で書簡を受け取り、ミン・スエ氏が療養の間、大統領代行として職務を遂行する権限を与えられたという。
評議会は正式には大統領が率いる政府機関であるが、実際には軍指導部の管理下にある。
非常事態宣言は軍に憲法外の広範な権限を与えるものであり、発効・延長には大統領の承認が必要である。
フライン氏は大統領代行も兼務することになったため、これを難なく延長できるようになった。
軍政は現在、21年2月の政変以来、最も厳しい立場に置かれている。
西部ラカイン州のアラカン軍、東部カレン州の少数民族ゲリラ「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は昨年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。
民主派勢力の支配地域は拡大し続け、中国国境沿いの北東部の広い範囲を占領。投降した一部の兵士を取り込むことに成功した。
アラカン軍はラカイン州の主要都市ブティダウンを制圧。この町はバングラデシュと国境を接する交易の要衝であり、軍政の拠点が複数あるとされる。
KNUはタイ国境近くの要衝ミャワディを制圧。軍政の兵士数千人がタイに逃亡したり、KNUに寝返ったりした。
軍政は反体制派やゲリラとの戦いに対処するため、非常事態宣言の延長が必要と主張している。
MRTVは先週、ミン・スエ氏が神経障害などを患っていると明らかにしていた。