◎ダニー・フェンスター氏は今年5月に拘束され、約6カ月間刑務所に拘留されていた。
2020年6月22日/ミャンマー、ヤンゴン、米国のジャーナリストのダニー・フェンスター氏(family courtesy photo/AP通信)

主要メディアによると、ミャンマーの軍事政権は3日前に懲役11年の実刑判決を受けた米国のジャーナリスト、ダニー・フェンスター氏を赦免し、釈放したという。

フェンスター氏は解放交渉に関与した米国の元外交官ビル・リチャードソン氏と11月15日にミャンマーを離れ、カタールのドーハに到着した。

アルジャジーラによると、フェンスター氏は「体調に問題はない」と質問に応じたという。

フェンスター氏と契約を結んでいた地元メディアのフロンティアミャンマーは15日の声明で、同氏の釈放を歓迎した。

フロンティアミャンマーの英語サイトの編集長を務めていたフェンスター氏は先日、誤った情報の拡散、違法な組織への関与、軍に対する反対意見を奨励した罪で有罪判決を受け、さらに暴力の扇動とテロに関与した罪で別の裁判にかけられる予定だった。

フェンスター氏は今年5月に拘束され、約6カ月間刑務所に拘留されていた。

米国のアントニー・ブリンケン国務長官は声明で、「フェンスター氏は約6カ月間、誤って拘束されていた」と述べ、解放を歓迎した。「ダニーと家族が再会できることをうれしく思います。米国はミャンマー軍に不当に拘束された人々の解放を求め続けます...」

リチャードソン氏はミャンマー軍トップのミン・アウン・フライン司令官と対面で解放交渉を行ったと明らかにした。フェンスター氏とリチャードソン氏はカタール経由で米国に帰国する。

一方、ミャンマーのゾー・ミン・トゥン副情報相はロイター通信に、「解放する意図は当初からあった」と述べ、人道上の理由で解放したと強調した。

またトゥン副情報相は、「ミャンマーは米国との良好な関係を維持する」と述べ、解放の見返りとして米国に何かを求めたという噂を却下した。

米国がフェンスター氏の解放交渉で譲歩したかどうかは明らかにされていない。

フロンティアミャンマーによると、フェンスター氏は以前、軍に批判的な独立系メディアのミャンマーナウで働いていたという。同社の担当は、「フェンスター氏に対する告発は、軍に違法組織と認定されているミャンマーナウで働いていたことに基づいていた」と述べた。

フェンスター氏の兄弟であるブライアン・フェンスター氏は、「帰国を待ちきれない」と述べ、解放交渉に関わった全ての関係者に感謝した。

国連によると、ミャンマー軍は今年2月のクーデター以来、ジャーナリストまたはメディア関係者を少なくとも126人拘束し、このうち47人は今も拘留されているという。

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