◎女性は先週、首都ネピドーの抗議集会で警察に頭を撃たれ、病院で治療を受けていた。ネピドー病院の医療関係者は当時、英BBCビルマの取材に対し、「女性は深刻な頭部外傷を負い、別の抗議者は胸部外傷を負っている」と述べていた。
2021年2月19日 AP通信/ミャンマー、首都ネピドー

現地メディアによると、ミャンマーの軍事クーデターに抗議する集会で負傷した20歳の女性が死亡したという。

女性は先週、首都ネピドーの抗議集会で警察に頭を撃たれ、病院で治療を受けていた。ネピドー病院の医療関係者は当時、英BBCビルマの取材に対し、「女性は深刻な頭部外傷を負い、別の抗議者は胸部外傷を負っている」と述べていた。

一連の抗議で死者が確認されたのは初めて。

ミャンマー軍は2月1日の軍事クーデターで国民民主連盟(NLD)の高官と関係者、そして国家顧問のアウンサンスーチー氏を拘束した。

以来、数十万人が最大の都市ヤンゴンや首都ネピドーなどで抗議集会を開催し、スーチー氏らの解放と軍事政権の撤退を要求してきた。

ネピドー病院はAP通信の取材に対し、「女性は2月19日午前11時05分に亡くなりました」と述べた。

匿名を条件に取材に応じた医師は、「私たちは正義を求め、前進しています。彼女が集中治療室に運びこまれた時、スタッフは計り知れないプレッシャーに直面していました」と語った。

軍事政権のスポークスマンは今週の記者会見の中で女性が警察に撃たれたことを否定しなかったが、「女性は警察に石を投げた群衆のひとりであり、事件は調査中」と述べた。女性が石を投げたかどうかは明らかにされておらず、独立した調査も行われていない

アウンサンスーチー氏率いるNLDは昨年11月の議会選挙で軍の支援を受ける野党に大勝した。しかし、ミン・アウン・フライン司令官はNLDが不正を働いたと主張し、選挙委員会に調査を求めていた。

選挙委員会は先月末に軍の主張を退けたが、ミン・アウン・フライン司令官はこれを却下し、軍事クーデターを決行した。

アウンサンスーチー氏は軍の意味不明な言いがかり(トランシーバーの不法所持と国の自然災害法違反)で起訴され、秘密裁判で実刑判決を受ける可能性がある。

アメリカとイギリス政府は軍事政権に制裁を科し、スーチー氏らの即時の解放を求めている。また、国連人権理事会は2月12日の特別会合で、アウンサンスーチー氏らの釈放を求める決議案を可決した。

<国連人理事会の要求>
・アウンサンスーチー氏、ウィンミン大統領、および他の政府高官の即時かつ無条件の釈放。

・インターネット制限の解除。

・平和的な集会を尊重し、国民に対する過度な力の使用を控える。

2021年2月19日 AP通信/ミャンマー、首都ネピドー
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