◎1人は頭を撃たれ現場で死亡、もう1人は胸を撃たれ搬送中に死亡した。
現地メディアによると、ミャンマーの軍事政権に抗議する集会で2人が警察に射殺されたという。
警察は第二の都市マンダレーに集まった抗議者を解散させるために実弾、ゴム弾、催涙ガスなどを使用した。国内最大の都市ヤンゴンに本拠を置くフロンティアミャンマーによると、犠牲者の1人は頭を撃たれ現場で死亡、もう1人は胸を撃たれ搬送中に死亡したという。
重症者の報告も複数伝えられている。警察はマンダレーのヤダナボンドック周辺に集まった抗議者にその日の早い時間に催涙ガスとゴム弾を使用した。
暴力を目撃したAP通信のジャーナリストによると、少なくとも5人がゴム弾で重傷を負い、救急車で搬送されたという。重症者を含む負傷者数は20人以上と伝えられている。
軍はヤダナボンドックの造船労働者がストライキを決行したことに反発し、兵士と警察数百人を現地に送り込んだ。ドックの労働者のひとりは現地メディアの取材に対し、「国民民主連盟(NLD)の解放と民主主義の回復を求めます」と述べた。
報道によると警察は造船労働者らを容赦なく打ち負かしたため、周辺住民も抗議者と一緒に逃げざるを得なかったという。
マンダレーでは州の鉄道労働者がストライキを決行した際にも銃撃があったと報告されているが、負傷者がいたかどうかは分かっていない。
現地メディアによると、ヤダナボンドックで抗議した一部の抗議者が警察に物を投げつけ、警察は実弾とゴム弾で応戦したという。
射殺された1人の親戚はロイター通信の取材に対し、「彼は36歳の大工で胸を撃たれました。もう1人の少年(18歳未満と報道)は頭を撃たれたと聞いています」と語った。
ヤンゴンに集まった抗議者たちは19日に亡くなった20歳の女性に敬意を表し、平和的に抗議した。高架道路の下に設置された記念碑には約1,000人が集まったという。女性は一連の抗議で最初に確認された犠牲者である。
米国務省のネッド・プライス報道官は19日の声明で女性に哀悼の意を表し、平和的な抗議者に対する暴力を控えるよう軍に呼びかけた。
軍のミン・アウン・フライン司令官は2月1日のクーデターでアウンサンスーチー氏とNLDの関係者を拘束し、非常事態を宣言した。
軍事政権は昨年11月の議会選挙でNLDが不正を働いたと主張しているが、選挙委員会と市民はこの言いがかりを却下している。
EUは取り締まりの強化と暴力を強く非難した。ミャンマーの米国大使館は「深刻な状況に陥りつつある」とツイートした。
ミャンマーに資本を投入しているシンガポール政府は、状況が悪化し続けると「ミャンマー、地域、そして市民に深刻な悪影響を与える」と警告した。
一方、軍当局は声明で、違法抗議を取り締まっていた警察官が殺害されたと発表しているが真偽は不明。