◎ゼネラル・ストライキの呼びかけはソーシャルメディアで瞬く間に広がり、工場、病院、役場、小売店などが相次いで閉鎖され、軍の支配下に置かれている首都ネピドーでも多くの店舗がシャッターを閉じた。
2月22日、軍事政権の弾圧と暴力に抗議する集会はゼネラル・ストライキに発展し、最大の都市ヤンゴンや第二の都市マンダレーなどの繁華街には数万人が押し寄せた。
ヤンゴンの米大使館周辺に集まった1,000人以上の抗議者たちはバイデン政権にさらなる圧力と支援を呼びかけた。その後、軍用トラックが20台近く駆けつけてきたため、抗議者たちは撤退した。
ゼネストの呼びかけはソーシャルメディアで瞬く間に広がり、工場、病院、役場、小売店などが相次いで閉鎖され、軍の支配下に置かれている首都ネピドーでも多くの店舗がシャッターを閉じた。
軍事政権は2月21日遅くに国営テレビ放送局MRTVでゼネストの決行は危機を招くと警告した。
「抗議者たちは無政府状態の暴徒にゼネストを呼びかけていることが判明しました。抗議者たちは警察に襲いかかった暴徒が死亡したことに反抗し、市民をさらなる対立の道へと駆り立てています」
軍事政権は過去の暴力的な抗議を非難し、その結果、「治安部隊のメンバーは抗議者を攻撃せざるを得なかった」と強調した。一連の抗議で射殺された市民は少なくとも3人、数百人がゴム弾や警棒で打ちのめされ負傷した。
軍の街宣車は21日夜にヤンゴンの繁華街などを巡回し、同様の警告を繰り返し流し続けた。
市民は平和的な抗議でアウンサンスーチー氏と国民民主連盟（NLD）関係者の解放を求めており、22日の抗議も非暴力を徹底していた。
市民はこの日始まったゼネストを「22222革命（2021年2月22日）」と呼び、ソーシャルメディアには1988年8月8日の「8888蜂起」と比較する投稿が相次いだ。
8888蜂起で軍事政権に抗議した市民は数百万人と伝えられている。その際、軍は市民に銃弾を撃ち込み、300人～10,000人（数万人という説もある）を銃殺した。
首都ネピドーで抗議に参加した男性はAP通信の取材に対し、「私はいち市民として22222革命に参加しました。必ず参加しなければならないと思いました」と語った。
27歳の女性抗議者はロイター通信の取材に対し、「私たちは軍事政権に支配されたくありません。勝つまで戦います！」と述べた。
現地メディアによると、少なくとも12の市や町で大規模な抗議集会が決行されたという。
ネピドーの東に位置するビンマナでは、治安部隊が抗議者たちをゴム弾や警棒で打ち負かした。報道によると、警察は200人以上を逮捕し、軍事基地に移送したという。事実であれば、一連の抗議が始まって以来、最大の大量逮捕になる。
ヤンゴンに本拠を置くフロンティアミャンマーによると、22日の抗議は以前とは比べ物にならないほど大きく、「道路や高速道路は封鎖され、ありとあらゆる店舗が閉まっていた」という。
フロンティアミャンマーのトンプソン・チャウ氏は英BBCビルマの取材に対し、「市民は自発的にゼネストの呼びかけに応じ、店舗を閉鎖しました。営業している店を探すことは困難です」と述べた。
またチャウ氏は、「国営企業」や「政府の医師およびエンジニア」もゼネストに参加しており、軍事政権の脅迫は全く意味をなさなかったと付け加えた。
最高指導者のミン・アウン・フライン司令官は、抗議集会の拡大とゼネストに反応した世界の指導者の圧力に直面している。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は国連人権委員会の年次演説で、弾圧を速やかに停止するよう軍に要求した。
アントニオ・グテーレス事務総長：
「市民を解放しなさい。暴力を終わらせなさい。人権と昨年の選挙で表明された市民の意思を尊重しなさい。クーデターは私たちの世界では受け入れられない」
ミャンマーの外務省はグテーレス事務総長の要求を却下し、「国連は内政に甚だしく干渉している」と非難した。
アメリカ、カナダ、イギリスは軍事政権と関係者らに制裁を科している。アントニー・ブリンケン米国務長官は先日の声明で抗議者への攻撃を非難し、暴力が続く場合はさらなる行動を取ると誓約した。
EUは22日に開催された外相会議後の声明で、軍事政権に独自の制裁を科す準備が整ったと発表した。27か国の外相は共同声明で、「軍事クーデターと市民への暴力を指揮する者に制限を科す準備はできている」と述べた。
